共産主義は間違っている!
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勝共運動による救国救世

寒い日にエアコンの利いた部屋でくつろぎながら、ふと小さいころ、こたつに家族みんなが入って暖を取っていた時のほうが、今より幸せだったような気がしてならない。…続きを読む

09年9月、政権交代間もない鳩山由紀夫前首相は国連の気候変動首脳会議で演説し「日本は1990年比CO2を25%削減する」とぶちあげた。…続きを読む

朝日新書の『エコ・ウォーズ』は、これと全く逆の論旨に貫かれている。すなわち、新聞の連載記事らしく、「地球温暖化の常識」の側面がコンパクトにまとめられている。…続きを読む

この書評は2011年4月に投稿されました。

倹約と幸福

著/新宮秀夫 小学館101新書 735円

省エネ生活こそ幸福への道

倹約と幸福 エネルギー・環境問題解決への道寒い日にエアコンの利いた部屋でくつろぎながら、ふと小さいころ、こたつに家族みんなが入って暖を取っていた時のほうが、今より幸せだったような気がしてならない。著者は次のように言う。
 「物質的に豊かな生活、ゴージャスな生活、安心安全な生活を求め、消費の活性化をして、お金が儲かること、すなわち成功を目指して競争することが、ほんとうに人の幸福につながるのであれば、人類はもうすぐ滅びる運命にあるといえる」
 人々の幸福感を転換しなければ、エネルギー多消費社会は変わらない。大学でエネルギー科学を専攻し、退官後は、NPO法人「京都エネルギー環境研究協会」代表として、エネルギーと環境の問題を、幸福論のレベルから探究している著者が、古今東西から、それにかかわる小話を集め、解説している。
 江戸時代の良寛は、大地震に見舞われた親戚に宛て、「災難に遭う時には、災難に遭うのが良いのです。これが災難を逃れる妙法です……」という手紙を書いている。これはあきらめのようだが、あきらめとは明らかに見ることで、大自然の中に生きる人間の現実を知り、過分な欲望を持たないことである。その態度が、生きる力を下支えしてくれる。どんな悲惨な状況にあっても、それを感謝できれば、心が萎えてしまうことはない。
 物覚えの悪い弟子のはんたかに、釈迦は「ちりを払う」ことだけをするよう教えた。以来、一心に掃除をし続けたはんたかは、やがてそれが「心のちりを払う」ことだと気づき、どの弟子よりも早く悟りを開いたという。ちなみに著者は研究のため太陽炉“はんたか”を製作している。
 倹約とは消費を減らすだけでなく、生き方そのものを見直すことである。著者は、倹約の生活こそ、「正直でよく働く人が尊ばれる世の中だ」と言う。私からそうなり、周りをそう変えていくことが、地球環境問題解決の一歩だと気づかされる。

この書評は2010年8月に投稿されました。

エコ亡国論

著者/澤 昭裕 新潮新書 756円

「CO2 25%削減」政策を読み解く

エコ亡国論09年9月、政権交代間もない鳩山由紀夫前首相は国連の気候変動首脳会議で演説し「日本は1990年比CO2を25%削減する」とぶちあげた。同12月、デンマークのコペンハーゲンで行われたCOP15(第15回気候変動枠組条約締約国会合)での混乱ぶりを、澤氏のペンは冷静に伝えている。
 そもそも「地球温暖化の常識」は正しいのか─通産官僚として環境政策に携わってきた澤氏の著書は、この「神話」が揺らいでいる事実から書き起こされている。
 この「常識」とは─温暖化はどんどん進んでいる。その証拠に昔に比べて夏は暑く、冬は暖かくなった。ヒマラヤ氷河は失われ、、北極海の氷が溶け、アマゾンの熱帯雨林も破壊される。ゆえに温室効果ガス(GHG)、特に化石燃料を燃やすときに出るCO2を減少させなければならない─というものだ。
 この「神話」の前提になっているのは、産業革命以後、化石燃料消費が温暖化の元凶であるという説だが、「科学的根拠」とされているのが国連のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の見解だ。しかしノーベル平和賞も受けているIPCCの見解というものが、実は信憑性の低いものであることが、スキャンダルによって暴かれているという実態を、澤氏は具さに記述している。
 温暖化説の「総本山」と目される英国イースト・アングリア大学の研究者らのメール流出で、温暖化データの誇張・捏造と温暖化説異論を唱える研究者への圧力があった実態が明らかになったことだ。これは例えば200年間かかって上昇するはずのものを20年で上昇するとしていたことだ。また、同大のユニットリーダーであるジョーンズ教授が関連データを隠すなど疑惑的挙動が明らかにされ、同教授自身がBBCのインタビューで「中世は現在より温暖だった可能性」に言及し「この15年間に統計学的に意味のある温暖化はなかった」と断言したという。
 さらに、「2035年にヒマラヤ氷河の消失」「アマゾン熱帯雨林のサバンナ化」という衝撃的な予測は、科学的に審査されたものではなく、環境NGOのWWF(世界自然保護基金) のレポートを引用したにすぎなかったことがわかった。
 こうした体たらくを見れば、「炭酸ガス削減」「低炭素社会」というスローガンへの耽溺が、いかに国益を損ない、国を誤らせるか、という前提の下で、著者は温暖化対策の各論に入り、過剰なエコ論議が国の方向性を誤らせると警告している。

この書評は2010年8月に投稿されました。

エコ・ウォーズ
低炭素社会への挑戦

著/朝日新聞特別取材班 朝日新書 735円

厳密な検証が要る温暖化

エコ・ウオーズ 低炭素社会への挑戦朝日新書の『エコ・ウォーズ』は、これと全く逆の論旨に貫かれている。すなわち、新聞の連載記事らしく、「地球温暖化の常識」の側面がコンパクトにまとめられている。同社の編集委員3人が著者として名を連ねているが、しかしこれがジャーナリズムかと疑わざるを得ない。論旨の要は、鳩山前首相が国連で演説した「CO2の25%削減」を歓迎し、官・業の癒着を打破し、世界の潮流から乗り遅れる(日本がガラパゴス化する)ことを牽制し、新エネルギー開発・実用化に邁進せよ、というものである。ここでやり玉に挙げているのは、25%削減案に猛反対の産業界である。石油・石炭など地下資源への依存を脱し原子力でもない、風力や太陽光など新エネルギーによる発電を推進せよ、と喧伝しているのだ。
 苦しいのは「脱石油なら原子力」ということが「朝日」のスタンスとしては言いにくい点だろう。だから原子力発電が主力のフランスではなく、原発に懐疑的なドイツなどをモデルとしている。
 だがここには、COP15の「コペンハーゲン合意」は紹介しているものの、会議そのものの紛糾やIPCCに突きつけられた重大な疑問などはいっさい言及されていない。加えて不思議なのは、中国の扱い方だ。京都議定書には加わらなかった中国も、太陽光パネル生産では世界一という具合に持ち上げ、「低炭素社会」への取り組みは不問に付しているのだ。
 IPCCのスキャンダルを待つまでもなく、北極圏研究者の赤祖父俊一アラスカ大教授などは以前から「温暖化は自然変動」と主張している。最近では太陽黒点の観測から、むしろ地球は「寒冷期」に向かっているのだという(常田佐久・国立天文台教授、読売新聞7月1日付)。確かに、氷に覆われたグリーンランドではかつて、緑が生い茂り放牧が行われていた事実などの千年単位の研究は、IPCCのデータから抜け落ちて一顧だにされないのである。
 京都議定書やポスト京都体制と政治主導で決定された「温暖化対策」を押しつけられる民間企業は、安易なイメージCMに走るのではなく、科学的な研究・検証機関を立ち上げるか出資するなどした方が国益のためにもなるのではなかろうか。