共産主義は間違っている!
国際共産主義勢力、文化共産主義勢力の攻勢に勝利しよう!

勝共運動による救国救世

外資系投資銀行を経てM&Aなどの企業アドバイザーとして活躍している著者だから、お勧めの投資話が書いてあるのかと思ったら、「金融商品には手を出すな」「素人が儲け続けられるはずがない」と意外な出だし。…続きを読む

田原総一朗氏の司会で日本を代表する2人のエコノミストが徹底討論している。…続きを読む

長引くデフレの正体は生産人口の減少にある、というのが結論。…続きを読む

この書評は2011年4月に投稿されました。

老後に本当はいくら必要か

著/津田倫男 祥伝社新書 798円

金勘定で一生を終えないよう

老後に本当はいくら必要か外資系投資銀行を経てM&Aなどの企業アドバイザーとして活躍している著者だから、お勧めの投資話が書いてあるのかと思ったら、「金融商品には手を出すな」「素人が儲け続けられるはずがない」と意外な出だし。要するに1000万円もあれば十分で、要は年金の不足分だけをカバーできればいいという、至って常識的な内容だ。
 面白いのは、「カネの計算で一生を終えるつもりですか?」と本質論に切り込んでくること。著者は中学生の時、弁論の全国大会で入賞した。その時「先生の力が三分、自分の力が一分、あと六分は人智を超えた何かの助けであると実感した」という。神の後押し、の感覚だろう。30代での海外勤務で行き詰った時、偶然出会ったのが芹沢光治良(こうじろう)の『神の計画』で、人智を超えた存在に親しみを感じ、精神的に楽なったという。もちろん、神頼みをしろというのではなく、神を感じることで、楽しく、前向きに生きることを勧めている。
 著者の専門からは、熟年起業を提案する。経験があり、人的ネットワークが豊かで、社会的信用に資産もあるからだ。年齢が高いことは、失敗の体験が多いことでもある。ちなみに米国では、失敗経験の多い企業家のほうが高く評価される。自分で起業する気力がなければ、若者の企業を支援してもいいと言う。確かに、退職後20年は元気に働けるとすると、一仕事するには十分だ。
 起業のメリットは、自分への給与は経費として落とせ、交際費として500万円までは無税で使えるなど節税に役立つこと。扶養家族が減り、配偶者控除もなくなると、税金が重くなる。節税目的だけで起業するのは邪道だが、意外と地域に根ざしたスモールビジネスに発展するかもしれない。
 精神論の極みとして、著者は「死のうと思えば、いつでも死ねる」と言う。ならば、それを腹に据えて、できる限りの努力をしよう。前のめりになりながら死んでいくのが、人間らしく最後まで生きた証ではないだろうか。

この書評は2011年4月に投稿されました。

絶対こうなる!日本経済

著/榊原英資・竹中平蔵 アスコム、1,000円

国家のグランドデザインを描け

絶対こうなる!日本経済田原総一朗氏の司会で日本を代表する2人のエコノミストが徹底討論している。もっとも、民主党ブレーンの榊原氏は竹中氏を「無免許でスポーツカーを疾走させている」と、小泉改革を主導した竹中氏は榊原氏を「官僚上がりの学者に何が分かる」と批判し合うなど、立場は異なる。目指す国家像も、竹中氏は小さな政府のアメリカに近く、榊原氏はフランス型の大きな政府の福祉国家だ。
 日本経済の悲観論が氾濫する中で2人に共通しているのは、財政再建策を立て構造的問題の抜本的な改革をすれば、4〜5年で生まれ変われる可能性があること。もう一つは、菅直人首相は経済が分からず、民主党にはマクロ経済政策がないこと。先進国でそんな国は日本だけだという。
 構造改革とはグローバル化に徹底して合わせること。国内市場の小さい韓国の企業はそれで成功し、サムスンは日本の電気産業全体の三倍の利益を得ている。アラブ首長国連邦への原発売り込みでは、技術に優る日本が韓国に敗れた。
 日本はほどほどの市場で過当競争して、海外に打って出る力が弱い。携帯電話に代表されるガラパゴス化の問題だ。輸出立国と言いながら、輸出依存度は17・4%とインドよりも低い。JALは救済すべきでなくANA1社で十分だという。電力会社も多過ぎる。教育では使える英語教育が不可欠。企業でも英語で普通に仕事ができるようにならないといけない。
 農業や医療、介護、教育など成長の余地がある分野は、規制でがんじがらめ。企業も依然とした終身雇用で人材の有効活用ができない。公務員制度改革も、官僚の能力を生かす方向に進まないと何の意味もない。
 竹中氏が主張するのは、中国、インドと共に、米国、EUに並ぶ第三極をアジアにつくること。それを日本が主導するには、北朝鮮も含めた韓国との関係を強化し、2億人の経済圏を形成する必要がある。さらに同氏は、その鍵になるのは韓国と日本を結ぶ海底トンネルの建設だと提案している。

この書評は2011年4月に投稿されました。

デフレの正体
経済は「人口の波」で動く

著/藻谷浩介 角川oneテーマ21 760円

生産人口の減少に対処せよ

デフレの正体  経済は「人口の波」で動く長引くデフレの正体は生産人口の減少にある、というのが結論。人口統計は最も基本的な経済指標で、生産人口の減少がもたらす問題は既に数十年前から指摘されていた。一番分かりやすいのが、現役世代が負担することになっている年金だ。かつては4人で1人を養っていたのが、やがて2人で1人となると、負担の大きさに耐え切れなくなる。
 人口予測が外れることはそうないのに、それに応じた制度設計をしなかったのは、政治が投票権のある国民によって左右されるからだ。将来、大きな負担を強いられる子供たちに発言権はなく、若者の多くは政治に無関心。そのため日本は、先進国の中で、国家予算が若者より老人への支出に偏っている。
 ではどうすればいいか。まず、若者の所得を増やすため、年功序列から能率給の給与に変え、金を持っていても使わない老人からの生前贈与を促す。Wiiやヒートテックのような高齢者向けの商品開発。専業主婦の就労を進める。短期滞在の外国人労働者を増やす(長期滞在すると教育費などの支出が増える)。外国人観光客を誘致する——など、いずれも既に指摘されていることで、特に目新しいものではない。
 著者の持ち味は、意外に知らない事実の指摘にある。例えば、共働きの夫婦のほうが子供の数が多い。日本女性の就労率45%は、オランダの70%など先進国の中で低い。東京は若者の増加を高齢者の増加が帳消しにしている。日本は、観光立国をうたいながら政府観光局の予算は34億円、職員は140人で、スイスの70億円、220人より少ない。メリハリの利いた投資をしていないのである。
 デフレ時代に企業が際限ない経費削減を進めると、若者の就職は一層困難になり、さらにデフレは悪化する。著者は、団塊世代の退職で浮いた人件費を若者に回すことを提言している。景気対策は政府の仕事だけではないからだ。今の危機の正体を国民みんなが認識するところから、解決への道が開かれよう。