共産主義は間違っている!
国際共産主義勢力、文化共産主義勢力の攻勢に勝利しよう!

勝共運動による救国救世

代表執筆者の杉原は、中学生が使う検定公民教科書の多くが、新しい教育基本法を無視し、…続きを読む

遠藤周作や黒岩祐治神奈川県知事、濱田純一東京大総長などを育て、灘校を東大合格者日本一の私立校にした伝説の国語教師、橋本武の物語。…続きを読む

今の日本は、結婚の3分の1が離婚に至り、4割近くが結婚五年未満で、乳幼児を抱えている。その影響を最も受けるのが子どもたちだ。…続きを読む

著者は祖父が郁文館の創設者という教育者の家に生まれ、自身も同学園中・高校で社会科を教え、校長、学園長など務めてきた。…続きを読む

2010年サッカーW杯で日本中を感動させた岡田武史監督の「心の師」と言われる著者が、代表的な禅語をもとに生き方を指南する。…続きを読む

この書評は2011年11月に投稿されました。

新しい公民教科書

著/杉原誠四郎ほか 自由社 1260円

愛国心も自然に正しく教える

新しい公民教科書代表執筆者の杉原は、中学生が使う検定公民教科書の多くが、新しい教育基本法を無視し、愛国心や公共の精神を教えていないことを批判する。国家に要求するだけの公民の立場に立ち、大人になれば分かるような知識を並べているにすぎない、と。それは、教科書以前の、人間としての生き方の問題だろう。
 「動物は死を恐れるが、『死』を考えることはできない」として、宗教の大切さもきちんと紹介する。「家族のなかで育つ私たち」として、家族の絆が郷土や国家の礎であると教える。なんとなく感じていることを、はっきり言葉で伝えることが、教育には重要だ。
 愛国心については、自己愛から家族愛・愛郷心を経て発展していくものだとする。そして、愛国心は、国際社会の平和と発展に貢献する精神の土台をなす、と。阿倍仲麻呂の望郷の歌「天の原ふりさけみれば春日なる……」や、オリンピックの北島康介選手が載っているのもバランスがいい。
 領土については、ロシアが占領中の北方領土、韓国が占領中の竹島、中国が領有権を主張している尖閣諸島を記述する。国益の追求と外交のあり方から国連の問題、そして日本の安全保障を世界的な視野から紹介する。その一環として、北朝鮮による日本人拉致事件も詳しく書いている。
 課題の探求として、「ディベートをやってみよう」と提案する。対立する意見がある中で合理的な合意を求める手段として、公正な議論は欠かせない。それにより、双方が理解を深められるからだ。日本の教育に欠けている意見発表の機会も増やすべきだろう。
 これまでの教育は、教師は生徒の同伴者で、道徳のような価値は一方的に教えるものではないとの考えが多かったが、杉原は道徳も正しい方法で教えるものだとする。子供の人格を尊重することと、歴史的に伝承されてきた価値を伝えることとは矛盾しない。本書のように全うな国民のあり方を教える教科書が、早く主流になってほしいものだ。

この書評は2011年5月に投稿されました。

奇跡の教室

著/伊藤氏貴 小学館 1365円

人をつくる国語教育

奇跡の教室 エチ先生と『銀の匙』の子どもたち 遠藤周作や黒岩祐治神奈川県知事、濱田純一東京大総長などを育て、灘校を東大合格者日本一の私立校にした伝説の国語教師、橋本武の物語。彼は中学の3年間、中甚助の『銀の匙』だけをテキストに授業をした。
 もっとも今年99歳の橋本は、教え子たちが「還暦過ぎても、みんな前を向いて歩いている」のが何より嬉しいと言う。「結果が出なければ、責任を取る」と言って戦後、特殊な授業を始めた橋本にとってそれこそが結果だと言われ、著者は驚いている。いつまでも興味を持ち続ける人づくりが、橋本の狙いだったのだ。
 『銀の匙』は明治の東京下町で育った少年の物語で、当時の風俗や少年の成長が細やかに描かれている。橋本は生徒が主人公の人生を追体験し、日本文化を学べることから同書を選んだ。
 祖母との触れ合いや男友達との確執、女の子へのほのかな思い、「寒の丑(うし)の日に売る紅」のくだりから、十干十二支の暦法、方位へと話題は広がる。そのため橋本は毎回、膨大なプリントを用意した。どんどんわき道にそれて行く、究極のスロウ・リーディングだ。
 「国語はすべての教科の基本、学ぶ力の背骨」が橋本の持論。興味に突き動かされて思考の枝を伸ばすことで、思春期の生徒たちは自分の言葉を獲得していく。「国語が好き」な新入生は5%だったのが、1年後には95%になったという。
 速読がはやりの時代だが、橋本は「すぐ役立つことは、すぐに役立たなくなる」と言う。それは自身が受けた中学教育への悔いでもあった。時代と環境、才能が合わさって実現した授業から、学ぶことは多い。

この書評は2011年4月に投稿されました。

離婚で壊れる子どもたち

著/棚瀬一代 光文社新書 903円

離婚後も両親で育てる制度を

離婚で壊れる子どもたち 心理臨床家からの警告 今の日本は、結婚の3分の1が離婚に至り、4割近くが結婚五年未満で、乳幼児を抱えている。その影響を最も受けるのが子どもたちだ。心理臨床家で家裁調停員も務め、離婚先進国の米国で暮らした経験もある著者が、信頼できるデータに基づき、離婚家庭の子どもの問題を訴えている。
 日米とも離婚の9割は協議離婚だが、最大の違いは、日本は親権者を決めて役所に提出すれば離婚が成立する単独親権制度だが、米国では離婚後の子どもの養育計画や養育費の取り決めを裁判所に提出し、承認を得なければならないこと。共同監護(養育)法で、夫婦が離婚しても、親としての機能は共同で果たすことが大原則になっているからだ。今や「離婚後も共同養育」「最良の親は両親」が世界の常識だという。日本の制度について著者は「子どもに対して無責任極まりない」と厳しい。離婚が急増している韓国では2007年の民法改正で、米国に似た制度となった。
 離婚が子どもに与える影響は、㈰0〜18カ月では、愛着と絆の形成が困難になる㈪18カ月〜3歳では、親からの分離と自律が阻害される㈫3〜5歳では、離婚は自分のせいだと思う㈬6〜8歳では、親に見捨てられたと深い悲しみに陥る㈭9〜12歳は正義感が強くなり、良い親と同盟して悪い親に復讐する㈮13歳以上の思春期になると、やっと離婚体験をプラスに転ずることも可能になるという。
 現在、子どもの親権は約8割が母親が得ている。離婚と同時に働く時間が増えると、子どもは実質的に両親とも失うことなりかねない。また、父親との面会交流も、月に一度、食事を一緒にするくらいでは子どもの記憶に残らないから、米国では週2回、1泊2日の面会が普通だ。
 日本では母親が子どもを連れて家を出るケースがかなりあるが、海外ではそれは拉致で犯罪だ。そのため、日本人女性が逮捕されることも増えているという。
 数多くの事例が紹介され、離婚家庭の子どもの状況がよくわかる。

この書評は2011年4月に投稿されました。

子どもは茶の間で育つ

著/棚橋嘉勝 アートヴィレッジ 1,365円

楽しい子育てができる家庭を

子どもは茶の間で育つ―教育再生は家庭から 著者は祖父が郁文館の創設者という教育者の家に生まれ、自身も同学園中・高校で社会科を教え、校長、学園長など務めてきた。その長年の教育経験から、今の日本の教育に一番欠けているのは「家庭」であり、家庭の建て直しから教育を再生していくしかないと説く。教育者としての使命感を持ちながら、語り口は優しく、著者の人柄が滲み出ているようだ。
 「親は子どもの最初の先生であり、心のよりどころです。それゆえ、子どもたちの行く末をじっと見つめて、その能力の可能性と限界を把握しつつ、日々、子どもに対しているのが親だと思います」
 日本の親たちが少しでもその自覚を持っていたなら、これほど教育が荒廃することはなかっただろう。一人ひとりに教育論があるように、一人ひとりの努力がないと、教育はよくならない。国民の心に火をつけるような教育者こそが必要で、著者はその一人である。
 「人間は一人で生まれ、育っていくものではありません。家庭を基盤に、先祖から連綿と続く家族のつながりの中で生まれ、育てられていくものです」
 当たり前のことが、忘れられている、というか、軽んじられている。目の前のこと、目に見えることだけを追い求め、目に見えないものを顧みなくなったからだ。先祖も大切な存在だが、目に見えないため、あまり意識を向けない。子育てを論じながら、人としての生き方の見直しを促すのは、それだけ鍛え抜かれた言葉だからだろう。
 「親が子どもに希望を託すのは自然なことだが、その前によく自分を見つめて、それから子どもの将来を考えてください。……よその家庭を見て子どもの将来を考えているから、子どもの実情とずれてくるのです」
 子どもに対すると、わが身を正されることが多い。自分が責任を取るしかなく、真剣にならざるを得ないからだ。子どもを通して、親は人間として大切なことを学ばされる。「子育ては楽しい」という著者の言葉に共感する。

この書評は2011年3月に投稿されました。

平常心是道

著/野田大燈 マイコミ新書 819円

岡田前監督を支えた禅の言葉

平常心是道 ~W杯16強に導いた岡田前監督を支えた言葉~2010年サッカーW杯で日本中を感動させた岡田武史監督の「心の師」と言われる著者が、代表的な禅語をもとに生き方を指南する。著者は高松市の郊外、瀬戸内海を見下ろす五色台に喝破道場を開き、不登校児やひきこもりの若者と、生活を共にしながら自立を支援している。
 「平常心是道(びょうじょうしんこれどう)」は試合に臨む岡田監督が胸に刻んだ言葉。その意味は、「平常心を保て」ではなく、「ありのままの自分を受け入れよ」だと言う。保とうとすると既に平常ではないからだ。そうではなく、緊張した自分を見ることで、緊張から解放される、と。
 よく使われる「挨拶」も禅語。ホームレスになる人に共通しているのは、挨拶ができないことだという。ひきこもりからの回復も、きちんと挨拶することから始まる。「色即是空」は般若心経の言葉。ひきこもりの人は執着心が強く、それがトラブルの原因になる。色(存在するもの)は空(実体がない)との教えは、執着心を捨て一歩踏み出すことを勧めている。
 「主人公」は、すべてに束縛されず自由自在であること。力まず、無心な自分であれとの言葉。私の主人は私であるはずなのに、世間や周りの人などに束縛されていることが多い。「花誰為開」は、花は誰のために開くのか、と運命の出会いを待つ言葉。好きな人に出会えないのは、まだ出会うべき人に出会っていないだけ。毎日を懸命に生きていれば、必ず出会いはあると諭す。
 「無事」は、困ったことがないではなく、無心であること。子供がひきこもると、親は世間体を気にしたりして嘆いてしまいがちだが、大事なのは今の子供のありのままを受け入れること。親のエゴが先立つと、回復は遠のく。
 喝破道場にきた子供たちの多くは昼夜逆転の生活をしていたが、朝5時起床から始まる禅道場の生活で、徐々に正常なリズムを取り戻していくという。禅という長年の人間教育から紡ぎ出された言葉の意味は深く力強い。