■ 勝共理論 ③- 共産主義の歴史観 = 唯物史観

 

   共産主義には歴史観があります。簡単に言うと、「歴史は偶然の積み重ねではなく、ある法則に従って流れてきた」という法則性と「人類歴史はどのように流れてきたか」という実証性のある(と自称する)歴史観です。この歴史観を唯物史観と呼び、共産主義哲学である唯物論と階級闘争論に基づいていますこの具体的な内容を、時代の流れに沿って以下に示します。

 

①原始共産社会
   人類は太古の昔、狩りや採集によって生活していた。財産と呼べるものはほとんどなく、財産をめぐる争いのない平和な時代だった。ゆえに階級もなかった。

②奴隷制社会
   やがて社会の生産力が向上すると、農具や食料などの財産が生じた(私有財産の発生)。すると財産をめぐって争いが始まり、力を持つものが財産を独占するようになった。力のないものは奴隷となった。奴隷の労働はすべて支配者のために奪われた。これが奴隷制社会である。

 更に、支配者は権力を維持するために国家を作った。警察などの国家権力は支配者のために存在する。さらにその支配体制を強固にするために、支配者は宗教や道徳を作り出した。こうして階級社会が誕生した。ゆえに国家、宗教、道徳などの現行の社会制度はすべて支配のための道具である。

③封建制社会
  「矛盾の法則」に従い、奴隷制社会では奴隷が団結し、やがて支配者を倒すようになった。その後の社会では農地が新たな財産となった。農地を持つものが地主(領主)となり、農地を持たないものは農民となった。これが封建制社会である。

 農民は労働の成果である作物を年貢として奪われた。やがて農民は「矛盾の法則」に従って団結し、一揆を起こして地主を倒すようになる。

④資本主義社会
   次に現れたのが資本主義社会である。資本家が会社(工場)を作り、農村の農民は都市へ出て労働者になった。労働者には最低限の賃金しか支払われず、労働の成果は資本家に奪われた。しかし「矛盾の法則」によれば、やがてこの社会も終わりを迎えることになる。労働者が団結し、資本家を倒すからである。

⑤社会主義社会
   資本主義社会が倒れると社会主義社会が誕生する。資本家を倒した労働者たちによる社会である。歴史上はじめて出現する労働者階級による社会であり、人々は生き生きと労働による喜びをもって生きることができる。必要な物資は国家から過不足なく支給され、労働の成果が搾取されることは一切ない。この社会は労働者階級の代表による政党、すなわち共産党の一党独裁によって実現する。

⑥共産主義社会
   やがて世界中が社会主義国家になると、ついに支配の道具である国家は消える。共産主義社会の到来である。私有財産は消え、人類が太古の昔に争いなく暮らしたように、人々は真の自由と平等を勝ち取るのである。

 

   以上が唯物史観です。この理論では奴隷制社会も封建制社会も暴力によって次の時代に発展したことになっています。ですから資本主義社会においても暴力革命が起きるのは歴史の必然です。また革命に参加することは人間の歴史的使命でもあります。日本でかつて多くの若者が共産主義運動に参加したのは、この唯物史観が受け入れられたからでした。

 

   しかしこの理論も誤りばかりです。まず上述のように封建制社会→資本主義社会という変遷をたどった地域はヨーロッパと日本ぐらいしかありません。日本の場合、奴隷制社会が存在したという史実はありません。もし唯物史観が歴史の法則なら、世界中がこの法則に沿わなければならないはずです。つまり、マルクスは単にヨーロッパの歴史を大雑把にまとめただけだったのです。

   次に唯物史観によれば、資本主義社会が発達すると社会主義社会が訪れることになっています。しかしロシアと中国、他の共産化された地域を見てみても、資本主義が十分に発達した後に共産化されたという例は実は一つもありません。いずれも封建制社会と言わざるを得ない地域ばかりです。つまり実情は、矛盾の法則に従って社会主義社会が現れたのではなく、封建制社会で無理やり共産革命を起こしたものでした。

 

 すなわち、唯物史観は共産革命を正当化するために作られた机上の空論であり、決して、現実社会に当てはまるものではなかったのです。

 

【第三章】共産主義の克服 ー 勝共理論 
プロローグ
…共産主義は複雑で壮大な理論体系 

共産主義哲学の克服
…「人間をただの物質、石ころと同じ」と考える、恐ろしい哲学

共産主義の歴史観の克服
…共産主義の歴史法則は空論で、現実社会に当てはまらず

 

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