日本共産党の「政治資金収支報告書」を読み解く

  昨年11月末、総務省から最新の「政治資金収支報告書」(平成28年分)が公表された。毎年公表されているものだが、ここでは、日本共産党の政治資金収支報告書に注目してみたい(過去20年間分は、総務省と日本共産党のウェブサイトを参照した)。

 

 まず「収支の総括表」に目をやると、「前年からの繰越額」が14億円あったため、辛うじて赤字を免れてはいるが、純粋な「本年(2016年)の収入額」からすれば、216億円の収入に対し、218億円の支出であるから2億円のマイナスとなっていることが分かる。

 

 「前年からの繰越額」を除いた、その年だけの収入額に着目すると、2016年は、2007年からの20年間の中で過去最低を記録。ピークだった2001年の約343億円から、なんと126億円ものマイナスとなっているのだ。

なぜ日本共産党の収入は、ここまで落ち込んでしまったのだろうか?

 

激減する日本共産党の収入源

 それは、「機関紙誌の発行その他の事業による収入(以下、機関紙誌等の事業収入)」に大きく起因している。

 2016年の合計は184億円であるが、その大半が日本共産党の「機関紙誌」、特に「しんぶん赤旗(日刊紙)」と「しんぶん赤旗 日曜版(タブロイド判)」の購読料である。

 

 2016年の機関紙誌等の事業収入は、前年(2015年)よりも5億7千万円マイナスで、こちらも過去20年間で最低を記録した。ピークだった2001年の292億円から落ち込み続け、10年前の2007年(221億円)と比較しても37億円のマイナス、16年前のピーク時から107億円も激減したのである。

 

 日本共産党の収入源の実に85%)を占めるのが、「しんぶん赤旗」を中心とした機関紙誌の事業収入なのだ。機関紙誌の売り上げが落ち込み続ければ、当然収入全体も落ち込まざるを得ないのである。

 

 この他に「個人の負担する党費又は会費」は6億4千万円と、前年(2015年)からほぼ横ばいだが、こちらもピークだった20年前(1997年)の14億円から下がり続け、7億7千万円のマイナスとなっている。

 

 ちなみに、「党費又は会費を納入した人の数」は、2016年は延べ280万人だが、確認できた中で2002年の延べ331万人のピーク時から50万人以上減少している。

 

※ 日本共産党の党員数は、昨年1月に開催された党大会で、志位和夫委員長が「約30万人」であると明らかにしている。

 

 一方、「個人からの寄付」が8億1千万円と、前年より1億1千万円増加。10年前から増減を繰り返しているものの、2014年から増加傾向にある。とは言え、寄付金は収入全体の2~3%に過ぎない。個人による党費(会費)も同様に3~4%程度である(地方党機関から供与された交付金も全体の7~8%程度)。

 

 このように最新の政治資金収支報告書と、過去20年間分を振り返ってみると、日本共産党にとって、機関紙「しんぶん赤旗」による収入がいかに大きいものであるかがご理解いただけただろう。

県庁などでの「しんぶん赤旗」の不当な購読

 昨今、全国の県庁をはじめとした地方公共団体の役所などで、公費による「しんぶん赤旗(日曜版も含む)」の不当な購読が問題視されている。中立公正であるはずの地方行政が、特定の政党機関紙に偏重して購入するなどあってはならないことだ。市民の税金が「しんぶん赤旗」の購入に不当に使われているとすれば、多くの一般市民は許容できないのではないか?

 

 さらに根が深い問題として、市区町村などの役所では、公務員が日本共産党の地方議員らにより、半ば強制的に「しんぶん赤旗」を購読させられているという報告が多数寄せられている。しかし、これもまだ氷山の一角に過ぎないだろう。

 

 機関紙誌による収入の著しい落ち込みにより、“ジリ貧”となりつつある日本共産党。

 現在、日本共産党が推進する、憲法9条改正に反対する3千万人の署名活動も、なんとか日本共産党の支持者を増やし、「個人からの寄付」、さらには「しんぶん赤旗」の購読者を増やしたい一心の“方便”にも見えてくる。

 
 

日本共産党の断末魔の叫び

 2022年に創立100周年を迎える日本共産党。

 過去20年間分の政治資金収支報告書を読み解くと、日本共産党の悲痛な叫び声が聞こえてこないだろうか?

 

 日本共産党の100年近い歴史に終止符が打たれる日は、そう遠くないのかもしれない。

 

これが「しんぶん赤旗=資金源」勧誘の実態だ!“断れない”市職員につけこみ赤旗勧誘(産経新聞社 日本共産党研究 より)

 

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