左翼メディアの謀略を許すな(世界思想8月15日号)

思想新聞8月15日号に掲載されている主張を紹介する。

   安倍政権は学校法人「加計学園」の獣医学部新設をめぐる衆参両院の閉会中審査などを通じて支持率を大きく落とし、第2次安倍政権発足後、最大の危機に直面している。こうした背景に護憲・左翼メディアの「フェイク(偽)ニュース」による謀略工作が存在していることを忘れてはならない。

 加計学園をめぐって7月初めに第1回目の閉会中審査が行われ、NHK総合テレビが7時間のやりとりを全て生放送、加計問題の本質が浮き彫りになった。

 ところが、朝日新聞をはじめとする左翼メディアは自分たちの都合の良いところだけを切り取る「偏向手法」を駆使し、安倍政権に疑惑があるかのように報じた。このフェイク(偽)はテレビ放送を見ていた人なら誰でも分かったことだ。フェイクは国家戦略特区での獣医学部新設が、安倍首相の友人が理事長を務める「加計学園ありき」で決まったという構図だ。

岩盤規制も地元の願望も報道しない

   だが、加計の獣医学部構想は安倍政権下で始まったわけでなく、2007年11月に今治市と愛媛県が共同で構造改革特区として新設するよう国に求め、14年11月まで実に15回にわたって提案し続けてきたものだ。

   これが実現しないのは岩盤規制とされた。岩盤規制とは役所や業界団体などが改革に強く反対し、緩和や撤廃が容易にできないことをいう。民主党政権下で問題視し、鳩山政権時代に「速やかに検討」に方針転換された。

   愛媛県への獣医学部誘致の中心人物だった加戸守行・前愛媛県知事は、知事時代に鳥インフルエンザや口蹄こうてい疫などの発生時に獣医師が足りない窮状を訴えてきた。文科省の岩盤規制について加戸氏は「獣医学部の定員は神奈川県以東が8割、岐阜県以西は2割。こんな規制が医学部にあったら暴動が起きる」と批判している。

  それゆえに閉会中審査では前川喜平・前文部科学事務次官だけでなく、加戸氏の発言も焦点となった。加戸氏は「岩盤規制にドリルで穴をあけていただいた。ゆがめられた行政が正された」と述べたが、左翼メディアは前川発言だけを報じるだけだった。

   産経新聞によると、加戸氏の発言を一般記事で産経は50行、読売は68行、東京は11行、日経は9行取り上げたが、朝日と毎日は0行だった。朝日は加戸発言を引き出した自民党の青山繁晴参院議員の質問を審査の詳報でも掲載しなかった(7月12日付)。

   7月下旬に行われた第2回目の閉会中審査でも、新たな事実は何ひとつ出ず、前川喜平・前文部科学事務次官の「証言」の欺瞞が明確になった。それでも朝日は安倍政権に「疑惑」のレッテルを貼り、フェイクニュースを垂れ流している。

   こうした報道姿勢に対して当の朝日紙面でも批判が出ている。8月5日付の「あすへの報道審議会」(紙面論評)で、委員の小島慶子氏(タレント)は「『誤報はない』と言い切るメディアは信用できない。誤報を速やかに正し、過ちから学ぶ姿勢がメディアの信頼性を左右する。14年の一連の問題を経験した朝日新聞には、まさにそれが問われている」と述べている。

慰安婦虚偽報道の体質は今も色濃い

  14年の一連の問題とは慰安婦をめぐる虚偽報道と、東京電力第一原発事故で現場指揮を執った吉田昌郎所長の調書をめぐる虚偽報道のことだ。

   前者は32年間も虚偽を放置し続け、虚偽と判明しても謝罪せず、「『朝日新聞社』の辞書に『反省』『謝罪』の言葉はない」(週刊新潮・14年9月4日号)と痛烈に批判された。後者は所長命令に違反し所員の9割が撤退したと報じたが、実際はそんな所長命令も撤退もなく、命懸けて作業した所員を悔しがらせた。

   朝日は第三者委員会の設置を余儀なくされ、同委は同年12月に報告書を発表し、朝日の体質を改めて浮き彫りにした。委員を務めた北岡伸一氏(国際大学学長=当時)は「粗雑な事実の把握」「キャンペーン体質の過剰」「物事をもっぱら政府対人民の図式で考える傾向」「過剰な正義の追求」「現実的な解決策の提示の欠如」「論点のすり替え」の具体例を列挙し、「自らの主張のために、他者の言説を歪曲ないし貶おとしめる傾向」を挙げている。

   また岡本行夫氏(外交評論家)は、何人もの朝日社員から「角度をつける」との話を聞いたという。「角度」とは「真実を伝えるだけでは報道にならない、朝日新聞としての方向性をつけて、初めて見出しがつく」というもので、慰安婦だけでなく、原発、防衛・日米安保、集団的自衛権、秘密保護、増税等々に「角度」をつけていた(いずれも朝日・同12月23日付)。まさに社を挙げての偏向報道なのだ。

  その体質は今も変わっていない。安保関連法は「戦争法」、テロ等準備罪は「共謀罪」、加計問題では「安倍首相の友人」といったレッテルを貼り続けている。岡本氏は「新聞社は運動体でない」と指摘したが、朝日はまさに左翼運動体にほかならないのだ。

 安倍政権を貶めるフェイクニュースの正体を国民に訴え、改憲日程を早めさせねばならない。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で

「いいね」と思ったらシェア!