共産党、変わらぬ責任転嫁体質(12月15日)

 

 思想新聞12月15日号の共産主義特集「共産党、変わらぬ責任転嫁体質」を掲載します。先の総選挙で166万票を減らした日本共産党。「共産党執行部の判断は全て正しかった。悪いのは共産党を排除する他党」との独善的・責任転嫁体質を改めない限り、これからも国民の心は離れていくことでしょう。票を減らした分、日本は健全化されていくと思いますが・・


 

 日本共産党主催の「第3回中央委員会総会」(3中総)が12月3日、閉幕した。共産党では党大会で新委員が選出されると、ただちに第1回総会(1中総)が開かれる。直近では2017年1月に1中総があり、志位和夫委員長が幹部会委員長に選ばれた。ちなみに共産党は厳然たるピラミッド組織である。志位氏が委員長に選ばれたのは出来レースだ。中国や北朝鮮の権力構造と同じである。志位氏の発言がそのまま党の方針になるのである。

 さて、その志位氏が3中総で何を語ったかが、共産党のHPに詳しく紹介してある。それを見ると志位氏は以下の3つの内容について語ったという。

①総選挙の教訓と課題 ②政治情勢の特徴と当面するたたかいの課題 ③2019年の参院選と統一地方選挙での新たな躍進をめざして

 「当面するたたかい」とあるのが、いかにも共産党らしいが、やはり目に付くのは真っ先に総選挙の総括が挙げられている点である。何しろ共産党は先の総選挙で大敗を喫した。2014年の総選挙では比例で606万票を獲得したが、今回は440万票だった。100万票以上減らしている。党内に不満が渦巻いているのは間違いない。これをどう収集するのか。体制立て直しのカギはここにあるだろう。

 

敗因は「党の力不足」

 志位氏はこの点について、講演で次のように語っている。

 「議席・得票の後退には『党の力不足』がある。しかし全体としては健闘した。次につながる重要な成果を得た」 なんと傲慢な物言いだろうか。議席減の理由について、選挙直後の常任幹部会(10月23日)では「私たち(=指導部)の力不足」と言っていた。それを「党の力不足」と言い変えている。「指導部の責任ではない」と言い出したのだ。

 確かに「党の力不足」は深刻な課題である。何しろ党員の高齢化で「しんぶん赤旗」の配達もままならない。これでは党勢拡大どころではない。

 

 しかし今回の大敗の最大の原因はそこではない。実際は、志位氏が共闘に躊躇する立憲の枝野幸男代表に無理矢理すり寄り、一方的に共産党の候補者を降ろし、共闘勢力全体の議席を増やす方針をとったことにある。共闘議員を共産党がコントロールしつつ、比例でも得票を増やそうとの狙いである。

 ところがこの戦略は見事なまでに失敗した。小選挙区で立憲に票を投じたリベラル勢力は、比例でも共産党に投票しなかった。しかも小選挙区で勝った共闘議員も共産党にさほど恩を感じていない。志位氏の大失敗だ。

 しかし志位氏は演説で、この点に一切触れていない。むしろ「重要な成果を得た」と勝ち誇っている。どういう意味かというと、小池百合子都知事による共産党抜きの野党再編という「逆流と分断の働き」があったのだが、その中でも共産党は立憲との共闘を実現し、「歴史的役割を果たした」というのである。

 

 勘違いもいいところだ。小池氏の動きは、前原誠司民進党代表(当時)が共産党を嫌い、小池氏に共闘を働きかけて実現したものである。自分が嫌われたことを棚に上げ、「逆流と分断の働き」とはなんと独善的か。

 共産党を支持すれば正義の市民。対立すれば悪党と決めつける。本当の責任は自分にあるのにみな他人のせいになっている。共産党独特の責任転嫁の体質が全く変わっていない。むしろ本性が表れたというべきか。

 その一方で志位氏は、次の参院選では「過去のような一方的な対応(候補者取り下げ)は行わない」と明言した。本音では敗因が自分の判断にあったことをよく知っているのだろう。

 

独りよがりの共闘

 今後の方針については、「まず強調したいのは、野党共闘の勝利と党躍進は両立しうることだ」と言っている。失敗に懲りずにまた共闘を進める考えだ。相互推薦を目指すという。ただしそれは相手があっての話だ。当の枝野氏は「まだ他党との関係について考える段階ではない」と牽制している。共産党の独りよがりには左派系議員らも愛想を尽かし始めている。次の選挙では、共産党はまた100万票単位で票を減らすのではないか。

 

思想新聞掲載のニュースは本紙にて ーー

12月15日号 巻頭特集「金正恩、『核戦力完成宣言』は虚偽」 / NEWS「日韓トンネル推進全国会議 開催」 / コーナー「捏造明白な「朝日」不買運動の動き」 etc

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