北朝鮮は建国70年を迎えられない(1月15日号)

  思想新聞1月15日号の共産主義特集「北朝鮮は建国70年を迎えられない」を掲載します。国際圧力が徐々に重みを増すなかでも、北朝鮮は未だに核ミサイルの開発と米日韓への脅しを強めています。ソ連は“予言どおり”建国69年目で崩壊しました。今年9月、果たして北朝鮮は70周年を迎えられるでしょうか。


 

 国連安全保障理事会(安保理)が昨年12月23日、北朝鮮への制裁決議を全会一致(15カ国)で採択した。11月29日の弾道ミサイル発射実験に対してのものである。「これまでで最も強い制裁」(米ヘンリー大使)に対し、中露を含む国際社会が一致したことを高く評価したい。

 主な内容は以下の通りだ。

・ガソリンなどの石油精製品の輸出を450万バレルから50万バレル以下に制限

・海外派遣の労働者を原則2年以内に送還・北朝鮮からの食品、機械、電気機器、木材の輸入を全面禁止

・北朝鮮への産業機械や運搬用車両の輸出を全面禁止

・決議違反の疑いがある船舶の拿捕や臨検、差し押さえを国連加盟国に義務化

・新たな核ミサイル実験が行われれば石油供給をさらに制限

 かつてない強力な制裁だ。まず石油精製品の輸出が停止されることでほとんどの産業が打撃を受ける。貴重な外貨稼ぎの資源の輸出も禁じられる。これまでは密輸入が状態化していたが、これも船舶の拿捕や臨検でかなりのダメージを受けるだろう。

 そして極めつけは最後の項目である。今後北朝鮮が核ミサイル実験を行えば、石油の供給を制限するという。現状ですら石油が不足し、平壌市内で車両がほぼ見られないというのに、さらに石油の供給が制限されるのである。実験の強行は自殺行為である。

 しかし北朝鮮では、強硬路線を維持することで国内の統制をかろうじて維持しているという事情もある。もし制裁に屈したとなれば、その締め付けが急激に緩み、一気に体制崩壊へと至る可能性もある。金正恩政権としては、まさに進むも地獄、引くも地獄といったところだろう。北朝鮮情勢は今後どうなるのか。これが2018年の、日本の安全保障における最大の課題となる。

  

   当連合創設者の歴史観 「共産主義は70年を超えられない」

 ここで故・文鮮明総裁のある発言を引用したい。「共産主義は70数を超えられない」というものだ。1985年の発言で、当時はソ連の全盛期だったから誰も賛同するものはいなかった。ただシカゴ大学のモートン・カプラン教授がこの発言をもとに、「ソ連共産帝国の崩壊」を発表した(世界平和教授アカデミー主催「世界科学者会議」)。ベルリンの壁が崩壊したのはそれからわずか4年後、ソ連が崩壊したのは6年後である。ソ連建国から69年目で、まさに文総裁の「予言」が的中したのである。

 この予言が北朝鮮にも該当すると考えれば、建国70年目は今年の9月9日だから、それまでに崩壊するということになる。文総裁は他界しているから、そう考えるべきかどうかを確認する術はないが、現実はあたかもその通りに動いているかのようだ。

 

 この場合の具体的な展望を三つ挙げよう。第一に、ソ連崩壊と同様、一滴の血も流されることなく体制転換がなされる場合である。これは文総裁が91年に金日成主席(当時)と会談し、共同声明を発表したのと同様に、金正恩委員長が核放棄と核査察受け入れを表明することが前提となる。現実的には考えづらいが、可能性はゼロではないはずだ。

 第二に北朝鮮有事が勃発するケースである。きっかけは北朝鮮による苦し紛れの暴発か、米国による自衛権の発動である。

 第三に、北朝鮮が事実上の核保有国になるケースである。日本は北朝鮮の恫喝どうかつに屈するしかなくなり、核兵器が拡散することで国際秩序が破壊される。絶対に起きてはならない事態である。

 

 文総裁は生前、ソ連の崩壊が武力によるか民主的な手続きによるかは、自由主義圏の責任履行次第であると語った。そこで文総裁が採用した戦略は、当時のレーガン政権のSDI(戦略防衛構想)の支援と、ソ連に対するペレストロイカ・グラスノスチの要求である。これを徹底することでソ連の崩壊に成功した。

 北朝鮮問題でも同様に考えられるだろう。国際社会が密接に連携し、圧力をかけ続ければ北朝鮮は立ち行かなくなる。隙が生じれば事態は悪化するばかりである。日本に今願われているのは、毅然とした態度を取り続けることと、その対応を保障するための安全保障体制の充実である。憲法改正を柱とした安全保障体制の大改革が必要である。

思想新聞掲載のニュースは本紙にて ーー

1月15日号 巻頭特集「正念場の韓国、北の狙いは日米との離間」 / NEWS「山口・安保セミナー」 / 主張「改憲論は基本理念から問い直せ」 etc

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