「テロ等準備罪」審議、委員長の解任決議案に正当性なし

民進党が法務委員会委員長を解任を提議。貴重な審議時間が失われる。

 国会の参議院で、「テロ等準備罪」を含む組織犯罪処罰法改正案の審議がなされています。国際テロの対処のために必要な法案であり、充実した審議が望まれます。

 ところが民進党は6月2日、法務委員会の委員長の秋野公造議員を解任すべきだと提起しました。重要な審議をする予定の日でしたが、午前9時に始まった審議が7分で終了。貴重な審議時間が失われました。

 民進党が委員長の解任を求めた理由は、法案について金田勝年法務大臣に質問し、答弁してもらいたかったのに、委員長が法律の専門家である法務省刑事局長を出席させ、かつ答弁させたからというものです。この運営方針が問題だというのです。

 しかし法案の審議において、既存の法律や現場の事情に精通した官僚(ここでは法務省刑事局長)の出席を委員長が求めることはよくあることです。特に刑事罰を定める法案では、人権の制限が関わる極めて厳格な内容となるため、刑事局長に答弁を求めたのは妥当な判断です。また委員長の行動は、参議院規則第42条の3に基づくもので、手続き上の問題(瑕疵)は一切ありませんでした。

 むしろ採決前(6月7日本会議)に解任反対の討論を行った山下雄平議員(自民)によれば、秋野委員長は野党の審議時間を十分に確保し、中立公正な運営に尽力してきました。質問時間の決定などで、野党に感謝されたこともあったといいます。

 

審議を避けて、時間稼ぎに執着する民進党。足を引っ張るだけでは支持は得られず。

 そこで山下氏は、「法務委員会に出席していた民進党議員が解任決議案を提出したとは考えられない」「現場の実態を知らないもの(民進党幹部)が判断したのではないか」「参加していた民進党議員は(党の方針に)戸惑ったのではないか」と述べました。

 現場では話し合いがうまく進んでいるのに、話し合いに参加していない党の幹部が一方的に解任決議を決めたのではないかというのです。民進党は議論をする気がないのでしょう。自らの主張に自信があるなら堂々と議論をすれば良いのです。結局解任決議案は、参議院本会議で否決されました。

 実はこれまでの衆議院の審議では、民進党側の主張はことごとく論破されていました。それでこれ以上同じ質問をしても、国民の支持は得られないと判断したのでしょう。そこで今国会が6月18日に終わることを念頭に、時間稼ぎによって廃案に追い込もうと考えたのです。

 国会議員は国民の負託を受けて選ばれました。精一杯の審議を尽くすのが道理です。今国会の残り時間は少ないですが、充実した審議がなされることを期待します。

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