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『勝共連合かく闘えり』 はじめに(渡邊芳雄会長)

 このたび、日本の国際勝共(しょうきょう)連合の歩みを多くの人々にご理解いただくことを願い、「勝共連合かく闘えり」を出版することとなった。昭和43年(1968)に創設して以来、これまでも勝共運動の活動やその背景となった思想的内容を部分的に世に出したことはあったが、その時々の内外情勢に応じたものであった。この「勝共連合かく闘えり」はそれらの集大成である。

 共産主義者は、思想と大衆運動により「一切の社会秩序を暴力的に転覆」(『共産党宣言』)しようとする。19世紀に提示されたカール・マルクスの提言は、21世紀にいたってなお影響力を保っている。

 共産主義は多くの人々の心と体を支配し、革命のための粛清を生み出した。その犠牲者は少なくとも1億人を超えるといわれる。当然、本連合の闘いも熾烈を極めるものだった。その歴史をここに残したい。

 勝共の原点である街頭行動は、勝共理論の黒板を使った講義や街宣車の上からの演説である。当然、共産主義者の妨害を受けた。特に激しかったのは大学内での活動に対してで、流血や傷害事件が多発した。そのため勝共会員は、遺書を残し、覚悟をもって闘いの場に向かったのである。

 創設当時、日本を代表する愛国者である笹川良一先生や岸信介元首相から受けたご支援は、言葉にできないほどありがたかった。WACL(世界反共連盟)日本大会の開催、中共(中華人民共和国)の国連承認反対運動、京都府知事選で蜷川(にながわ)共産府政を打倒、自主憲法制定運動、教育正常化運動、そしてスパイ防止法制定運動や勝共連合全国組織化(約400支部、10万班、750万会員)、日韓安全保障セミナー(日韓姉妹支部結縁)、男女共同参画政策の問題啓蒙など、すべて両先生をはじめとする各界を代表する有識者の方々のご支援・ご指導の賜物(たまもの)である。

 東西冷戦の終焉と文鮮明・韓鶴子総裁の北朝鮮訪問は、勝共運動がより本質的な闘いの段階に入ることを意味する出来事だった。共産主義に勝利するということは、思想と実践、実態において勝利することである。文総裁が平壌の万寿台(マンスデ)議事堂内で語った雷鳴のごときメッセージは、まさにその宣言だった。

 世界は今、「新冷戦」の様相を呈している。とりわけ思想・価値観における闘いである文化闘争と、国際秩序の頂点に立つための100年計画を遂行しつつある中国(中華人民共和国)の覇権を阻止する外交・安全保障面における闘いである。

 勝共運動も今、新たな戦略・戦術を軸に闘う段階を迎えている。勝共の闘いは、変化し続ける共産主義の本質(思想と戦略・戦術)を明らかにし、その浸透を阻止するとともに、明確な代案を提示し続けなければならない。今日の世界と日本の状況から「まだ共産主義に勝ち切れていない」(梶栗玄太郎元会長)ことは明らかだ。

 この「勝共連合かく闘えり」を通じて、今我々はどこに立っているのか、真の世界平和実現のために何をなすべきかを共に考え、認識を共有し、行動に移したい。

令和7年5月20日

国際勝共連合会長 渡邊芳雄

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