『スパイ防止法』制定を目指すシンポジウムに開催協力(令和7年12月4日)
2025年12月4日に東京都内会場で開催された、「『スパイ防止法』制定を目指すシンポジウム」(主催:同実行委員会)のダイジェスト映像です。ぜひご覧ください(11分13秒)。
2025年9月30日、小冊子『今こそ「スパイ防止法」制定を 現代のスパイ工作の実態と脅威』が発行されました(発行協力:国際勝共連合)。小冊子の特設サイトはこちら(スパイ防止法制定促進国民会議)。
※「思想新聞」2025年12月15日号の記事から
スパイ防止法制定目指しシンポジウム
現代のスパイ工作の実態と脅威知る
国会議員、有識者など約300人が参加
国家機密や先端技術の流出、外国勢力による情報工作など、わが国の安全と主権を脅かす事案が続発し、スパイ防止法の制定を求める議論が、国会を含め日本社会に広がっている。こうした情勢下で国際勝共連合(IFVOC)では、「スパイ防止法制定推進国民会議」との協力による小冊子『今こそ「スパイ防止法」制定を』の刊行に続き、12月4日に東京都内で開催された「『スパイ防止法』制定を目指すシンポジウム 〜現代のスパイ工作の実態と脅威〜」(主催=同実行委員会、若泉征三実行委員長)を、他の諸団体と共に後援した。同シンポジウムには国会議員や有識者など約300人が参加。小林節・慶應義塾大学名誉教授の基調講演、パネリストにペマ・ギャルポ、福山隆両氏を迎えたパネルディスカッションが行われ、最後にスパイ防止法早期制定などを求める要望書が採択された。なお、同シンポの模様はインターネットでライブ配信された。
国歌斉唱、スパイ防止法の必要性を5分間にまとめた映像が上映された後、主催者を代表しシンポジウム実行委員長の若泉征三元衆院議員が挨拶に立ち、「日本はスパイという空き巣対策ができていない」とした上で、ダライラマ法王の講演会を企画し某大使館から3度中止を迫られたが開催できたこと、法王との対話の中で文化交流の重要性を学び、愛子様のラオスご訪問にその体現を見て、皇室など文化の継承こそ国民の責務と述べた。
次に参列した来賓を紹介した後、来賓を代表しまず参政党の松田学参院議員が挨拶に立った。
松田氏は参政党が国旗毀損罪案と共にスパイ防止法案を提出した点について「スパイ防止法は中曽根内閣の時に《治安維持法の復活》と批判されたが、参政党案は人権や報道の自由に配慮規定と、さらに国民にスパイに関するリテラシー教育規定を盛り込んだ。国民1人1人が日本の国を守るという決意を持つのが本当の国守り。その意味で我々が真っ先にスパイ防止法案を提出した」と語った上で、「今回のシンポジウムの成果を多くの人々に広めて頂きたい」と呼びかけた。
続いて、NHKから国民を守る党の浜田聡前参院議員が、副実行委員長の渡邊芳雄本連合会長との出会いについて「私が参院予算委員会で共産党を非合法化を主張した時に声をかけてくれ、勝共連合は非常に重要な団体という確信を持った」と述べ、「今わが党では、立花孝志党首が逮捕拘束されているが、民主主義の本質は《血の出ない戦い》だ。(スパイ防止法制定でも)皆さんと共に戦っていこう」と訴えた。
基調講演では憲法学者の小林節・慶應義塾大学名誉教授が以下のように熱弁を振るった。
「スパイ防止法ができるということは、主権者・国民が、この国の独立を犯させないという覚悟をしたということ。自由主義でも専制的国家でも世界の主要国にはスパイ防止法があるのに日本にはない。憲法9条を根拠に同法制定への反対論があるが、自衛権の範囲内で、外国に攻められたら武力で守るのは世界基準の常識だ。だがスパイは『国を盗みに来た者』であり、それに対し自衛し処罰するのは当然。台湾有事でも日米が支援するというのと静観するとでは、中国の出方が全く異なる。この鍵の情報を盗むのがスパイの本質だ」
休憩を挟んで行われたパネルディスカッションでは、パネリストとして講演者の小林節氏に加え、インド太平洋戦略研究 センター代表理事のペマ・ギャルポ拓殖大学客員教授、軍事評論家の福山隆・陸上自衛隊元陸将が登壇した。
ペマ・ギャルポ氏はチベットへの中国の情報工作について「スパイは情報を盗むだけではなく相手国を撹乱する。中国共産党はチベットに対し《仏教の敵アメリカ》と称して帝国主義をチベットから追い出しチベットを助けるためと称しチベットに入ってきた。2003年に米国の警察官になっていたチベット人がスパイ容疑で捕まり、2018年にスウェーデンでチベット人が中国のスパイとして捕まった。米国のケースでは本人の意思ではなく、彼らの家族を脅かしたり人質にしてスパイにさせられた」と語った。
福山隆氏は、自身の体験したスパイの実態について「韓国駐在武官のときロシアGRUの諜報員が接触し、帰国後会う約束をオファーされたが断った話、中国の社会科学院に中国で高額報酬で講演を依頼されたが断った話、さらに米国でハーバード大アジアセンター客員研究員時代にエズラ・ヴォーゲル教授宅に下宿していたが、中国とズブズブで鄧小平の伝記を書いたほどだが、日本の国家上級公務員試験を受けたエリートらを集め、ディベートさせながら英語でレポートまで書かせ、日本の将来が筒抜けにされた」と紹介。
また、比較憲法学者として日本がスパイ防止法を制定する場合、どの国のスパイ防止法が1番良いモデルになるのかとのモデレーターからの問いに、小林氏は「それぞれの国には歴史的背景があり、どこかの真似をするのではない。日本の運命は我々が自由と民主主義に従って決めるのであり、どこぞの国の軍事的圧力に従うものではないという意思を表せる条文であればいい」と答え、会場参加者からの質問とそれに対するパネリストの回答も的を射たものであったり、有意義な議論の時間となった。
パネルディスカッション終了後、日本維新の会の石平参院議員が来賓挨拶し、「中国には、いわゆる国家情報法という法律があり、要するに中国政府が中国国籍を持つ全ての中国人(日本在住の中国人も含む)たちに対して政府・国が求める情報を無条件に提供する義務があると定めている。問題の本質は、要するに中国共産党独裁政権が、容赦なくこの国際情報法を発動すれば、全ての中国人が残念ながら個人の意向とは関係なくスパイにさせられてしまう危険性があることをちゃんと認識しなければならない。中国の脅威から日本という国、日本民族を守っていくために、急いでスパイ防止法早期制定を1日も早くやらなければならない」と、来年の通常国会までに必ず実現する、と熱っぽく訴え会場の雰囲気は俄然盛り上がった。
そこで、①我が国の平和と安全国益を守るため人権や言論報道の銃を十分尊重しつつスパイ行為を直接処罰できる包括的なスパイ暴を早急に制定すること②現代のスパイ工策の実態と脅威に的確に対処するため、我が国の国力に ふさわしい本格的な対外情報機関を創設すること③外国勢力による スパイ工策や情報等に社会全体で対処していくため、国民の認識のアップデートのためにも政府や行政関係機関等からの適切な情報発信、啓発活動ーーの3点を要望するとした要望書案を読み上げられ、満場一致で採択、若泉実行委員長から石平議員に手渡された。
最後に、大会副委員長を務めるアジアと日本の平和と安全を守る全国フォーラム会長の大串康夫元空将が閉会挨拶し、「戦後80年、昭和100年の今の日本には世界に当然あるものがない。その諸悪の根源は憲法にある。現憲法教育から国を守る議員もいなければスパイへの警戒心もない。スパイ防止法制定でスパイがいなくなるわけではないが、その一歩が進むことが重要との認識を広めてほしい」と強調し、盛会のうちに会を終了した。
基調講演 小林 節・慶應義塾大学名誉教授
スパイ防止に必要な独立の覚悟と国防意識
私は40年前、助教授だった当時、スパイ防止法と聞いてピンと来なかったが、人間は学び考えて成長するもので、今ではピンと来ている。冒頭の映像で「スパイ防止法があれば拉致事件が起きなかった」とあるが、嘘だと思う。スパイ防止法がなくても、拉致監禁には刑法はあり出入国管理令があった。だから海上保安庁や警察が機能していれば、逮捕・監禁も起きないし、領土領海を勝手に出入りして連れ去られたりしないからだ。
だが私が強調したいのは、スパイ防止法の有無よりも大事な点、つまり「スパイ防止法ができることは、主権者国民がその覚悟をした」ということだ。国の独立を犯させないとの覚悟が、(40年前の)当時はなかったと思う。今、スパイ防止法をつくる覚悟が醸成されつつある、ならば大変喜ばしいことだ。だがそうでなく物の弾みでスパイ防止法ばかりを騒ぐなら、それは根のない草だ。だからその「覚悟」を考え、腑に落ちて前へ進むべきだろう。
比較憲法学の話で言えば、世界の主要国のうち、自由民主主義陣営では米・英・仏・独あたりを考え、専制的な国家としては、ロシア(旧ソ連)と中国を考えるがこれらどの国にもスパイ防止法がある。だがまさに日本にはない、ここが問題だ。だから今、それがプロセスに乗るのは大変いいことだ。
スパイ防止法がなぜ40年もできなかったのかを分析すると、1つは、「この国の独立は譲らない」という「覚悟」や「国防意識」「独立の気概」が我々の中になかったことだ。
第2点は、今の日本の政治権力者が信用されていない。参政党が出てきて急に大きくなったことも既存政治家が与野党共に、主権者国民に愛想を尽かされた1つの表れだ。そういう意味で、広く政治、権力が信用されてない。拉致被害者を不用意に生んだ政治権力者が、「法律がなかったから拉致が起きた、とはふざけるな、お前らの覚悟がなかったから」なのに。ここでスパイ防止法では最高は当然、アメリカや中国にすれば死刑だ。「国を盗む」なんてやれば死刑に決まってる。
それともう1つが憲法9条。これは戦争で負けた国が「詫び証文」として書かされたもの。日本国憲法は戦争に負けた以上、当然受け入れざるを得なかった。当時西洋文明から見れば狂犬のように噛みつく日本が歯向かえないようにするために、9条2項で交戦権と軍隊を持てないとしたわけだ。
国際法で、戦争するにはまず、国家として宣戦布告する。国家として交戦権を行使すると意思表示した途端に法のチャンネルが変わり、通常の刑法から国際法になり、人を殺しても物を壊しても犯罪にならない。だから日本はそれを奪われた。だから自民党の2012年改憲案までは私も付き合った。あの改正案は9条2項で自衛権という名の交戦権と、国防軍を持つとはっきり規定して「普通の国家」になろうとした。
だがそれはパリ不戦条約や国連憲章で侵略戦争を禁じたように、あくまでも自衛権。つまり自衛という名の戦争をする法的資格と道具を持つ、と日本国憲法の欠点を埋める自民党案だった。それが国際基準であり、海の向こうで日本国憲法を読むとこう呼べる。
そこでスパイ防止法に対する反対論を整理すると、「国防のためのスパイ防止なんて概念自体が憲法9条違反である」という議論が根強くある。9条の本来の意味からは日本が間違っても外国に攻めたりしない。だが外国が攻め込んできた時、黙ってやられる理由は全くない。
少なくとも憲法65条の行政権の中心は警察権で、それは外国の軍隊も熊も同じ「危険除去」の実力で、それが自衛隊。スパイとは国を盗みに来る者だから、それに対し自衛するだけ。原則と例外の話だ。
それで、今話題の台湾有事で考えたらはっきりする。台湾有事について高市早苗首相の発言に中国が過剰反応した。それは彼(薛剣駐大阪総領事)にとりとても嫌な話だからだ。戦争とは勝手に起きるのではなく、必ず双方でシミュレーションするものだ。
例えば中国の周りが敵という中で台湾有事の際に、日米が全力でバックアップすれば中国にとり1番嫌な話だ。あるいは台湾有事に、日米が閉じ篭もり静観すると、中国が出てきやすい。こういうキーになる情報を政府から盗む行為がスパイの本質だ。これをきちんと処罰し、死刑になるよという法律がない。つまりその元になる国防意識が主権者国民にないこと。私たちは刑法でいろんな形の窃盗罪で取り締まれる。公務員法でも機密漏洩で捕まえられるではないか。でもそうではなくて、国を盗む情報を盗んだらいけない、という1番重要な「覚悟」がないことが、この運動を進める上での問題点だ。その点を強調するため私はこの会場に石を投げ(問題提起)に来たのだ。
パネルディスカッション〔要旨〕
〔パネリスト〕
小林 節(慶應義塾大学名誉教授)
ペマ・ギャルポ(拓殖大学客員教授)
福山 隆(元陸将)
誰でもスパイになり得る中国の法制度 ペマ
「レジームチェンジ」の好機 福山
政治改革とセットで国民も注視を 小林
小林節・慶應義塾大学名誉教授の基調講演を受け、プログラム後半には3人のパネリストによる白熱したパネルディスカッションが行われた(モデレーターは実行委員会の境文子さん)。
ーー今シンポのテーマである「スパイ工作の実態と脅威」に関して、小林先生の講演内容に対するコメントと合わせお聞きしたい。
ペマ スパイは情報を盗むだけではなく相手国を撹乱する。中国共産党はチベットに対し《仏教の敵アメリカ》と称して「米帝国主義をチベットから追い出しチベットを助けるため」とチベットに入ってきた。2003年に米国の警察官になっていたチベット人がスパイ容疑で捕まり、2018年にスウェーデンでチベット人が中国のスパイとして捕まった。後者は国外追放となったが、前者は警察をクビになる以上のことはなかった。米国のケースでは本人の意思ではなく、彼らの家族を脅かしたり人質にしてスパイにさせられた。中国人は誰でも場合によってはスパイになり得る法制度がある。
福山 一つは韓国駐在武官のとき、ロシアGRU(参謀本部)の敏腕諜報員が接触し、帰国後東京で会う約束を提案されたが、「君はロシアを愛する男。俺はそれ以上に日本を愛する男。俺はお前と会わない」と断ったが、その後も私はずっとインテリジェンスに携わってきたが、彼は将来のこともよく見ていた。二つ目は、中国のスパイをコントロールする社会科学院からあなたの論が注目されていると高額報酬で講演をオファーされたが、頭にハニートラップ、マネートラップが駆け巡り断った。さらに三つ目は退官後、米国でハーバード大アジアセンター客員研究員をした時代、『ジャパン・アズ・ナンバーワン』で有名なCIA分析官のエズラ・ヴォーゲル教授宅に下宿していた。実は彼は中国とズブズブで鄧小平の伝記を書いたほどだ。それはある意味で米中の水面下のコンタクトいう準備があり、中国にとっても鄧小平をアメリカ諜報員に書かせることで、「米中間の認知」という政治的行為につながった。彼はまた日本の国家上級公務員試験を受けたエリートら累計100人を家に集め、防衛・経済・産業問題・教育とあらゆる分野の学生たちを1週間にわたり全然違う日に集めて、寿司とワインをご馳走しながら 10年後の日本の政策はどうなるか、というディベートさせる。全部録音し、英語でレポートを提出させた。日本の将来の政策を全部米国に包抜けにされ、自己の評価を上げてスパイのリクルートを受けるハメになる。スパイ天国に慣れきった国民の馴れの果てかと、心胆を寒からしめた。
小林 2人の話に改めてぞっとした。私も北京大学で教えたし、ハーバードにも2度いたことがあるので、その場面まで頭に浮かんできた。スパイ工作に日本人が鈍感であることが問題で、そこをきちんと処理する象徴が、「スパイ防止法の制定に至る国民の意識改革」だと思う。
ただ、共産主義はマルクス・エンゲルスの経済哲学をスターリンや毛沢東が悪用した。高度資本主義化してない社会で軍事力で政権奪取し、軍事力と警察力を使う専制国家になった。あれはマルクス、エンゲルスの想定した「共産主義」とは違うと問題提起したい。今のニューヨーク見ればよく分かる。行き詰まった資本主義が倒れた先に、いわば「共生の経済学」としてマルクス、エンゲルスは描いたのであり、暴力革命自体を主張したわけではない。勝共連合も共産党もお互い無駄な喧嘩はしない方がいい、と会場に「石」を投げたいと思う。
ーー国内でスパイ防止法制定を願う声がかつてなく高まっている。特定秘密保護法やセキュリティクリアランスなど、情報漏洩を防ぐ法整備がされてはいるが、それでもどんな点でスパイ防止法制定が必要なのか。
ペマ スパイとは何かを盗むだけではなくて、相手国に対して色々撹乱させたり、あるいは影響力のある人達と接触し政策に反映させたりする。だから情報を漏れさせないばかりか、そういう行為を取り締まることが必要だ。情報を上げる側も取る側にも取り締まる法律が。そういう意味で、2007年のイージス艦乗務員により中国人女性が何回も不法入国している。日本は最終的に国外追放したが、その後彼女は再び他人のパスポートを偽造して日本に来たとの話を聞く。だからそういう者に対し、取り締まる法律が必要ではと強く感じる。
それから、個人的には拉致問題だ。私は拉致する側も悪いが、それを拉致させる国の方が問題だと思う。自国の主権を犯されるようなことをやる。だからその意味では今、日本国内で多くのスパイ問題が出ているが、それは多分、日本人自身がもう少しスパイに対し警戒心を持つことが大切だ。だから法律作るだけではなく、そういう気持ちを変えることが必要ではないか。
例えば今、私達は14の民族で「アジア自由民主連帯協議会」を運営している。そこには生々しい話が沢山ある。例えば今、日本に在住する人たちに対し、電話の向こうで親を出してもらい、いろんな形で指示命令することがある。それを日本国内で、何の取り締まりもされないのだ。やっぱり、スパイ防止法を作るにあたっては重要なことではないか。
福山 今なぜかとタイミングに関して、米共和党系の学者は既に「セレクティブ・ニュークリア・プロリファリレーション」、いわゆる「選択的に核を拡散」しようとしている。すなわち北朝鮮など米国の好ましからざる国には徹底的に核を持たせないように努力し、日・独・豪州といった国には米国の国益と一緒にやると。米国がそれを言い出した背景に、米国が首が回らなくなったからだ。もう中東、台湾、ウクライナという中で、米国自身の元気、経済が枯渇してきてもう首が回らないと。
そういう中で、米国は同盟国に、日本の軍事力もっと上げろと言うが、もうそういう段階じゃなくて、いわゆる核兵器まで持たせようと。核まで持たせる、韓国にも原子力潜水艦を持たせるわけだから。そういう時代になり1つの壁を突き破ると、日本に対してはもう「普通の国にしないとやっていけない」という悟りに来たわけだ。
そうなると憲法改正から我々が言っていた「YP(ヤルタ・ポツダム)体制からの離脱」や「戦後レジームの克服」。ここに来ないと核だけ持てという話にならない。逆に言えば、昭和天皇と米内光政の「日本が戦後復興を何年で遂げるか」との話だ。米内が50年と言ったら、天皇陛下はいや100年かかると言われた。まさに今、昭和100年でありかつ、戦後レジーム克服にはさらに20年かかる。要するに法律とかいうものではなく、「日本人の魂をチェンジするのは100年かかる」わけだ。だから今から20年、レジームチェンジだ。日本は外圧でしかできない中で、ようやく米国がそういうトレンドに出てきたことはチャンスだ。
日本の戦後とは安全保障も何も全部他人任せで自分は関係ない。自分の胸に手を当て、歯を食い縛って苦難を乗り越えて民族としての誇りと生き残りを賭けることができるか? その意味でスパイ防止法は「氷山の一角」だが、その根を探せば非常に厄介な話だ。だから並行して様々なことをやっても、まず第1には我々の「レジームチェンジ」、頭の中のアイデンティティを変えないとダメ。もう「今まで来た道」ではないのだ。
小林 私もなぜ今かというと、政治情勢として中国がある意味で焦ってきている。内部的にも問題出てきて、その時に台湾問題に決着をつけようとしてきている時に、まさにスパイとは何かの本質が分かりやすくなってきた。
国民が覚悟すると同時にやはり、ほとんど経済の好景気にどっぷり浸かって政治家が単なる議席を維持し、蓄財を図る卑しい仕事になってしまった。モリ・カケ・サクラ・東北新社、裏ガネ問題もあるし、それから維新の公金還流問題も。今こそ、スパイ防止法という大権を託す政治なのか、という政治改革とスパイ防止をセットで国民が見つめ合うちょうどタイミングではないか。
だから、私が心配するほどの国民の国防意識が立つか立たないかは別として、法律そのものはできてしまうのではないか。それに私は期待したい。それと並行して、あの、今日お話しし たような本質は日本は中国の属国に絶対ならない、北京政府にしてやられた香港の二の舞は嫌だから、台湾をそうはさせまい、まして自分達も絶対になるまいぞ、という意識をここで立てることが何より重要だ。
(構成・文責=編集部)
