勝共連合に対する北朝鮮絡みの「デマ」を訂正する

勝共連合が「北朝鮮の別動隊」?

国際勝共連合が「北朝鮮の別動隊」である、といった荒唐無稽なデマがいまだに囁かれているようである。近年では、2023年2月に出版された『日本の赤い霧 極左労働組合の日本破壊工作』(福田博幸著、清談社Publico)の中に見出すことができる。本連合会員からの要望もあり、改めてそれらのデマを訂正したい。

『日本の赤い霧』の第3章「『警察、マスコミ、統一教会』への革マル派の浸透工作」や、第8章「『赤い霧』と闘う四つの組織」には、次のように記されている(以下、下線部は本連合に関する問題箇所)。

「1991(平成3)年末に文鮮明が金日成主席と会談したのを機に、北朝鮮と韓国の統一平和運動に衣替えし、それにともなって、勝共連合も北朝鮮側の別動隊へと変質して、今にいたります」(第3章 p.196)

「反共組織だった勝共連合が突然『北朝鮮の別動隊』になったのですから、治安関係者にとっては重大事件です」(第8章 p.411)

本連合創設者の文鮮明総裁の訪朝を機に、本連合が「突然『北朝鮮の別動隊』になった」など、何の根も葉もないデマである。著者の福田氏は、文総裁の訪朝以外に何ら具体的な根拠を示していないし、このような主張は福田氏の単なる思い込みに過ぎない。

本連合はこれまで、北朝鮮を中心とした「南北統一」を支持したことなどなく、北朝鮮の「主体思想」を批判し、その間違いを啓蒙してきた。またこれが、文総裁が訪朝時に訴えた内容でもある。さらに本連合は、北朝鮮の対南(韓国)スパイ工作の全面中止を訴えてきた。このような本連合が「北朝鮮の別動隊」などあり得ないのだ。

北朝鮮に対する勝共連合のスタンスとは

本連合は1968年4月の創設以来、共産主義の間違いを訴え続けてきた。北朝鮮に対しても一貫して、極めて批判的なスタンスを取ってきた。1969年には東京・小平市の朝鮮大学校(朝大)に対して、朝大が「革命の拠点」になっていると、朝大の認可取り消し運動を展開。

また、北朝鮮による日本人拉致問題に対しては、まだ大手マスメディア(現・産経新聞を除く)が報じていなかった1980年当時、本連合の機関紙「思想新聞」で、「北朝鮮スパイの犯行? アベック、ナゾの連続蒸発」と題する記事を掲載している(1980年2月1日号)。

その後も本連合は、日本人拉致問題をはじめ、日本に対する北朝鮮の軍事的挑発や横暴を批判し続けてきた。近年も「北朝鮮の核・ミサイル開発、中国共産党の覇権拡大を許すな」という標語を、本連合の年間「運動方針」の一つに掲げている。このような本連合が「北朝鮮の別動隊」など笑止千万である。

この他にも、本書には次のように記されている。

「(勝共連合は)現在は北朝鮮サイドに立った南北統一行動という運動を日本および韓国国内で活発に展開しています。       
 当時、勝共連合の『無給秘書』が派遣された自民党右派系国会議員のデータは当然、北朝鮮サイドに渡ったと見るべきでしょう。それは同時に中国の諜報機関にも流れたものと推察されます」(第8章 p.411)

本連合が過去も「現在」も、「北朝鮮サイドに立った南北統一行動という運動を日本および韓国国内で活発に展開してい」るなど、まったくのデタラメである。どこか別の団体と混同しているのかもしれないが、「北朝鮮サイドに立った」など、明らかなデマである。

また、本連合が自民党に「無給秘書」など派遣した事実はないし、「自民党右派系国会議員のデータ」(何のデータか?)が「北朝鮮サイドに渡った」など、悪質で荒唐無稽なデマである。

以上、『日本の赤い霧』は、左翼や極左の本質、実態を詳らかにしている点は評価できるが、本連合に関する言及はまったくのデタラメでありデマである。

文総裁訪朝や勝共連合の真相は『勝共連合かく闘えり』に

福田氏をはじめ、日本の保守派も誤解している、文総裁の訪朝の真意や真相に関しては、本連合編著『勝共連合かく闘えり』(世界日報社)の、第6章「文鮮明総裁の北朝鮮訪問 残された夢」をぜひ一読していただきたい。

また、本連合が「スパイ防止法」制定に尽力したことについては、第4章「熾烈を極めたスパイ防止法制定運動」をご確認いただきたい。このように、『勝共連合かく闘えり』を通じて、本連合の「半世紀の歩み」を確認するならば、本連合が「北朝鮮の別動隊」などと決して信じることはできないだろう。

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『勝共連合かく闘えり』出版のお知らせ(2025年6月15日)

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