共産主義者はイコール軍国主義者である

 令和8(2026)年が明けた。年初早々、米国のベネズエラ軍事攻撃が象徴するように今年は一段と「軍事」が問われる年となろう

 80有余年前の第二次世界大戦後、自由と民主主義を国是とする国々すなわち自由陣営は曲がりなりにも覇権国家・米国の「軍事の傘」(これを抑止力という)のもとにあって生存を保ってきた。もとより1975年のインドシナ共産化に象徴されるように国際共産主義の「軍靴」によって辛酸を嘗めた民族も少なくない。とりわけ共産中国は軍事力(プラス暴力)を背景にチベット、ウイグル、内モンゴル民族などを「中華」で粉飾し恐るべきジェノサイド(民族浄化・虐殺)を繰り広げている。20世紀に世界が承認した「民族自決権」は無残にも共産軍の毒牙によって奪われているのである。

 一方、東西冷戦の終焉によって打倒されたはずの旧ソ連共産党(すなわちウラジミール・レーニンの落とし子)は共産党謀略機関(KGB)の末裔、ウラジミール・プーチンによって〝復活〟し、真なる平和を願うロシアの人々の口を封じ込め、その毒牙を隣国ウクライナに向けた。そしてウクライナの善良な人々を殺害し、サラミ戦術のごとく切り刻んで軍事支配地域をロシアに組み入れようと策動している。これもあれも自由主義国の雄、米国の「衰え」と自由主義国自身の抑止力の低下によってもたらされていることを想起しておかねばならない。

クラウゼヴィッツ信奉者のマルクス

カール・フォン・クラウゼヴィッツ

 共産主義者はイコール軍国主義者である。この厳然たる事実から目を背けてはならない。そのことを若干、ふり返っておこう。カール・マルクスとともに共産主義を編み出したフリードリヒ・エンゲルス(1820~95年)は無類の軍事好きであった。21歳になって彼は兵役に召集され、1年間の軍務に就くためベルリンの砲兵隊に入隊した(ちなみにマルクスは卑劣にも兵役不適格免状を得て逃れている)。英政治学者E・H・カーは「(エンゲルスは徴集兵としては注目すべきことだが、軍事に対して関心を持ち、しかもそれに関する健全な知識を得た。そしてこれは後年になって大いに役立った」(『カール・マルクス』未来社)と指摘している。

 エンゲルスは1851年、友人に宛てた手紙で「ぼくは、このマンチェスターに来てから軍事の研究を始めている。来たるべき運動の中で、軍事的部分を帯びるに違いない巨大な重要性、ぼくの昔からの傾向、…これらのことが、ぼくをそこへと向かわせているのだ」(同6月19日)と語っている。1858年、エンゲルスはマルクス宛の手紙の中で、「ぼくは今、なによりもクラウゼヴィツ戦争論を読んでいる。風変わりな思索の方法をもっているが、その内容はというと、はなはだ良い」とクラウゼヴィツを学ぶことを薦めているのである。

 マルクスはこれに従い、クラウゼヴィツの有名なテーゼ「戦争は他の手段をもってする政治の継続に他ならない」をマルクス・エンゲルス軍事論の中核に据え、クラウゼヴィツを「最高の巨星」とまで規定したのである。それゆえに後の共産主義者たちも異様なまで軍事にこだわってきた。例えば、中国では辛亥革命(1911年)後に軍閥が跋扈したが、その中のひとつのような存在だった中国共産党は決して(軍閥で唯一)軍事力を放棄しなかった。それで最終的に中国大陸を軍事占領(今に続いている)せしめたのである。

 日本共産党がなぜ暴力革命を内包した「日本革命」を放棄しないのか。それもまたマルクス・エンゲルスの軍事的遺伝子を継承しているからにほかならない。軍事力をもって国家を転覆し、軍事力をもって人々を支配し、軍事力をもって他民族の抹殺を図るのである。このように共産主義にとって軍事力は「命の源泉」なのである。だからこそ自らの軍事力を優位にするために、打倒すべき国家の軍事力を削ごうとするのである。もっともそのことをストレートに言えば反発を招くので、かわりに綺麗ごとを並べ立てるのである。戦後、左翼勢力が言い募ってきた「非武装中立」「教え子を戦場に送るな」「戦争のしない国」「核廃絶を」等々は、まさに自らの軍事的優位を築くための方便にすぎないのである。

共産国の軍事力を抑止力で封じよう

 それゆえに共産主義者は「日本の安全」を守ろうとする施策にことごとく反対するのである。安倍政権が制定した集団的自衛権行使を一部認める安保関連法、国家機密の情報漏れを防ぐ特定機密保護法、テロ集団を取り締まる組織犯罪処罰法、有事立法、国民保護法、PKO協力法、スパイ防止法、日米安保条約改正。さらには自衛隊に対しては発足以来、違憲と断じて潰そうと策動してきた。どれもこれも「平和」を装っているが、共産国ことに中国の軍事的優位を築くための虚言である。

 我々は決して忘れてはならない、「共産主義者とは軍国主義者である」という厳然たる事実を。その策動(国内外の共産勢力)を封じには彼らの軍事力を押し返す軍事力すなわち抑止力が不可欠なのだ。年頭に当たってこのことを肝に銘じたい。

【思想新聞 1月15日号】中露イラン排除し「西半球」守る/三浦小太郎氏インタビュー/連載「文化マルクス主義の群像」/朝鮮半島コンフィデンシャル

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