さあ「保守革命」を始めよう

 第51回衆議院総選挙は「革命」だった。「保守革命」のスタートである。米国の「トランプ革命」、イタリアの「メローニ革命」と連携して、世界を「常識」に戻すのが「高市革命」なのだ。

 常識とは歴史、文化、伝統が凝縮されたもの。マルクス主義はそれを、支配階級のイデオロギーと位置づけて排除しようとした。

 選挙戦期間は16日間で、解散から投開票日まで戦後最短だった。しかし高市早苗氏が解散を「決断」したのは昨年11月だったという。考え抜かれ十分準備されたものだったのだ。
初の女性総理の決断は、政治家としての進退をかけたものであり、国民の耳目は必然的に高市早苗氏に集まった。

明確な解散の大義 左派の批判的外れ

自民党本部で高市早苗総裁を中心に当選者を祝う党役員(自民党ホームページから)

 解散の大義は明確である。26年続いた自公連立政権から公明が離れた。その後、自民は維新と組んだが、現政権は、自公連立で選挙を戦い国民の同意を得たものである。

 高市氏は、自維連立の新たな枠組みで、新たな政策を進めることについて国民にまだ問うていない。この度の解散を、民意を無視した権力の横暴と左派メディアは批判したが、それは的外れだ。

 高市氏は「責任ある積極財政」を宣言し、予算編成の在り方を抜本的に変えようとしている。それを安全保障強化策に連結させて「日本列島を強く豊かに」すると訴えた。涙の演説が続いた。その内容は、日本をどのような国にしたいのかという明確なビジョンだった。

 演説中に救急車が通過しマイクが使えなくなったとき、高市氏は「手メガホン」で声を振り絞った。その姿はSNSで全国に拡散されたのである。

 選挙戦終盤には、冬の悪天候が続き、投票行動への影響を心配する声も上がったが、小選挙区の投票率は56・26%。前回より2・41%高い結果が出たのである。

 高市首相は勝敗ラインを、与党で衆院過半数233議席以上とした。しかし結果は与党(自民と維新)で352(120議席増)という、かつて見たこともない数字が確定数となったのだ。

 政党別に見れば、自民は単独で316議席(118増)で衆院の3分の2を超えた。残念なのは、比例名簿の登載者不足で14議席を他党に譲ってしまったことである。

 立憲民主党と公明党は1月16日、新党「中道改革連合」を結成した。中道路線を打ち出し、保守的な政策が目立つ高市政権との対決姿勢を明確にしようとするものだった。「中道改革」とは、「生活者ファースト」の視点で現実的な政策を打ち出していくという。

 旧立民が144人、旧公明が24人、計167人でスタート。しかし参議院と地方議員は当面、それぞれの党に所属するという不徹底なものだった。

 旧公明の斉藤鉄夫代表は新党結成の意味を「分断と対立を政治的エネルギーとする風潮の中で、中道勢力を日本のど真ん中に置くことが重要だ」と主張し、新党の理念は「生命・生活・生存を最大に尊重する人間主義」だと強調したのである。マルクスがかつて、「宗教の批判は、人間が人間にとって至高の存在である、という学説をもって終わる」(ヘーゲル法哲学批判序説)と述べていたことを記しておきたい。人間主義は共産主義と共鳴するのだ。

 昨秋、自公連立政権の終焉を機に立民の野田佳彦代表(当時)は公明の斉藤代表(当時)に接近。立民執行部は「政策的に近く、合流は可能だ」と分析したという。水面下の交渉は立民の安住淳幹事長と公明の西田実仁幹事長が進めたという。

 選挙の結果、「中道改革連合」(中道)は49議席。167議席から118議席の減。しかし旧公明が28議席で4議席増え、旧立民は21議席で144議席から113議席減らしたのだ。旧公明は「焼け太り」状態となり旧立民は崩壊寸前に追い込まれたのだ。

 背景には旧公明は11ブロックの比例順位の上位を占め、小選挙区では旧立民候補支援に回ったことがある。旧立民を支える組織票(組合)に旧公明を支援する創価学会票が加われば小選挙区で十分戦えると考えたのだ。しかし読みは外れた。いずれの組織も十分動かなかったのだ。

「争点」だった中国沖縄で共産が敗北

 自民以外の保守政党もよい戦いをした。維新は36議席(2議席増)、国民は28議席(1議席増)、参政は15議席(13議席増)となった(日本保守党は議席を失い0となった)。

 左翼政党は総崩れ状態である。共産4議席(4議席減)、れいわ1議席(7議席減)、社民はゼロのままである。

 自民党は東京の30全選挙区で勝利し、沖縄県の全選挙区でも勝利した。かつてないことであり、まさに歴史的大勝である。

 共産党が唯一小選挙区で議席を持っていたのは沖縄1区だった。その「宝の議席」(共産党)も自民に奪われた。沖縄県民の政治意識が「革命」的に変化しつつあるが、中国の脅威が原因である。

 衆院選の「争点」は中国だった。今後、経済から軍事にいたる対外攻勢を一層強めるだろう。人民解放軍制服組トップの粛清による軍に対する直轄支配強化は習近平国家主席の焦りである。中台統一を阻害する存在があるのだ。それが日米同盟である。「保守革命」を成し遂げた「強く豊かな」両国が連携する時、「中国の夢」は萎み消えるのだ。

【思想新聞 2月15日号】第51回衆院選総括 「戦後レジーム」に終止符を/三浦小太郎氏インタビュー/連載「文化マルクス主義の群像」/朝鮮半島コンフィデンシャル

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