「JSLC2019 in 名古屋」太平洋文明圏時代 東アジアの平和と日韓米連携の展望

 

世界思想 12月号 (平和大使協議会発行) を刊行しました。今号の特集は「自由で開かれた海をいかに守るか ~日本を取り巻く海洋安全保障問題~」 です。

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UPF-Japan などが主催する「ジャパンサミット・アンド・リーダーシップカンファレンス(JSLC)2019 in 名古屋」が10 月5 日、愛知県名古屋市にあるホテルナゴヤキャッスルで開催された。UPF が主催する国際サミットが日本で開かれたのは今回が初めて。日本をはじめ韓国、米国、台湾などから各界の有識者、専門家ら約750 人が集まり、世界の平和と持続的な発展に向けて意見を交わした。(文責編集部)

東アジアの外交安全保障をテーマに行われたセッション1。趙明哲(チョミンチョル)元韓国国会議員は、東アジアの安全保障の秩序が崩れていると警鐘を鳴らした。

 

セッション1「東アジアの平和と日韓米連携の展望」

 

 「東アジアの平和と日韓米連携の展望」をテーマに開催されたセッション1では、冒頭、モデレーターの高橋一生氏(アレキサンドリア図書館顧問・国際基督教大学元教授)がセッションの趣旨を説明。世界が混迷をきたす中、「今後の国際社会のあり方を議論できる場を日本が提供できることは幸せなことだ」と述べた。

 日本、韓国、米国、ネパールの有識者が順にスピーチ。日本の国会議員は、冷戦構造はまだ終わっていないと指摘したうえで、共産主義の脅威について説明。北朝鮮が軍備を拡張していることにも触れながら、日韓米が軍事的にも文明的にも強固な同盟関係を築くことの重要性を強調した。  

 

 趙明哲氏(元韓国国会議員)は、近年、東アジアの安全保障の秩序が崩れていると警鐘を鳴らす一方、日韓関係の改善について政治家だけに任せるのではなく、国民運動として展開しなければならないと述べた。

 

テッド・ヨーホー氏(米国下院議員)は、自由を信じない国々の連携が拡大していることに危惧を表すとともに、西側の民主主義が挑戦を受けていることに言及。神から与えられた自由と民主主義の価値の重要性について強調した。

 

パラマーナンダ・ジャー氏(元ネパール副大統領)はUPFの世界的な活動について賞賛。平和な世界を実現するためには、民間団体や信仰に基づく団体の参加も歓迎されるべきだと述べた。また、UPFが提示する「他者のために生きる価値観」「家族を大切にする価値観」の重要性にもふれた。

 

セッションを終えるにあたりモデレーターの高橋氏は、「統計から推計すれば、今後、世界経済の主要国5カ国のうち4カ国がアジアになる」としたうえで、「アジア太平洋地域が新しい文明についての答を導き出さなければならない。日韓米の関係を密にし、新文明を牽引しなければならない」と総括した。

 

セッション2「少子化と多文化社会―家庭の再生と社会の創生」

 

 セッション2は「少子化と多文化社会―家庭の再生と社会の創生」をテーマに開催された。

 最初に「日本における少子化政策の課題と展望」と題し、大泉博子氏(三井住友福祉財団評議員・元衆議院議員)が日本の少子化政策について説明。大泉氏は、日本の少子化政策の経緯とその問題点について指摘。「少子化対策= 保育対策という発想はやめ、全省庁が力を注ぐ社会政策として取り組まなければならない」「結婚年齢は学歴と相関関係があるため、就学年齢を5歳に引き下げることで人口構造に良い影響を与える」など、具体的な解決案を提示した。

 

 

 池チ 忠チュン楠ナム氏(韓国・全南大学グローバルディアスポラ研究教授)は「韓国における低出産の現状と課題」と題し講演。池氏は、合計特殊出生率が1人を下回る韓国の現状を説明しながら、経済の停滞、女性の社会進出、男性が家事に協力的ではないなど、結婚に対する否定的な価値観が社会に蔓延していると指摘した。少子化問題を解決する一つの方策として、多文化結婚、国際結婚の有効性に言及した。

 山本チヨヱ氏(全国家庭教育支援センター代表)はコメントで、「文化の伝承としての子育てが、リスクを考える子育てになっている」と指摘したうえで、「子育て
は楽しいという学び直しが必要だ」と述べた。

 

 ドミニカ国から参加したカルヴァン・フェリックス氏(カトリック枢機卿)は聖書を引用しながら、「家庭は愛の学校であり、親が最初の先生になる」と述べ、家庭の大切さを強調。また、子供を産み育てることは恵みであると語った。

 

 セッション2のモデレーターを務めた倉沢宰・立教大学元教授は、「人間の幸せとは何か」と問題提起したうえで、「これまで日本は企業優先、仕事優先の社会だった。家族をベースとした社会システムに変えないといけない」と述べ、セッションを締めくくった。

 

 

 

 

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