共産勢力の「宗教弾圧」に加担するな

 本連合の友好団体である世界平和統一家庭連合(旧統一教会=以下、教団)に対して文部科学省が解散請求を東京地裁に請求した。これは法治国家にあるまじき暴挙であると我々は考える。政府自民党が共産主義勢力の謀略にまんまと乗せられ、踊らされた結果の解散請求であるからだ

 解散を迫ったのは、本連合が1980年代に主導したスパイ防止法制定運動を阻止するために策動した共産党系弁護士らである。それを操っていたのは日本共産党にほかならない。そして、これを煽ったのは「マルクス主義の思考にくるまる」(元朝日記者、長谷川煕氏)朝日新聞を筆頭とする左翼メディアである。その論理は中国共産党の宗教弾圧のそれである。わが国の、いや内外の共産勢力がそれこそ総出で教団潰しを企てているのである。この策動を断じて許してはならない。

共産党の目標は宗教の完全抹殺

10月12日、旧統一教会への解散命令請求を行うことを表明する盛山正仁・文部科学大臣

 共産主義の祖、マルクスは「すべての神々を憎悪する」と述べ、「宗教はアヘン」と断じた。「マルクス主義は、1840年代の初めにその創始者によって採られた立場から、永久に後退しなかった。それはつねに、宗教論争をその本質的な仕事の一つとみなしてきたのである」と英政治学者E・H・カーは指摘している(『カール・マルクス』未来社)。

 実際、レーニンは「宗教への妥協なき闘争」をロシア革命とそれ以降の共産主義革命の主題に据え(『唯物論と経験批判論』1908年)、世界革命を遂行するために組織したコミンテルン(国際共産党=事実上のソ連共産党)も同様の〝使命〟を担わせた。わが国では同日本支部として100年前に創設された日本共産党がそれを担っているのである。

 スターリン憲法と称される「ソビエト社会主義共和国同盟憲法」は「反宗教的宣伝の自由は、すべての市民に認められる」(第124条)とし、これを引き写して終戦直後に日本共産党が作った「人民共和国憲法草案」も「反宗教的宣言の自由もまた保障される」(第10条)とうたっている。爾来、共産党は「反宗教宣伝」に明け暮れるようになったのである。

 中国共産党の場合は、憲法で「国家は、正常な宗教活動を保護する」(36条)とし、その「正常」の判断は共産党の支配下にある国務院宗教局が行い、正常とされた宗教団体は管制団体として、ことごとく管理下に置かれ、僧侶らは国から給与をもらって国家公務員扱いされ、布教の自由はもちろん、一切の政治活動も禁止されている。
これに対して「正常」と見なされない宗教団体は弾圧される。ことに新興宗教には既存宗教まで動員し「カルト」のレッテルを貼って弾圧する。その構図を日本共産党は我が国に持ち込んだ。それが教団に「カルト」のレッテルを貼って攻撃し抹殺しようとする背景である。

 2022年7月の安倍銃撃事件が起こる半年前の同年1月、「反共は戦争前夜の声 立憲野党共同の前進を」と呼びかける宗教者(つまり共産党の息のかかった赤い牧師や僧侶らのことだ)の集いが国会内で開かれ、「反共主義を黙認するな」と気勢を上げ、共産党を含む野党共闘の推進を唱えた。彼らにとって反共の宗教団体は撲滅対象で、まさに教団がその筆頭とされたのである。

 それゆえに安倍銃撃犯の「動機」が教団への恨みと伝えられると、待ってましたと言わんばかりに反宗教宣伝に乗り出した。共産党や過激派支援の左翼弁護士らで埋め尽くされた全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)は教団を「カルト」「反社会的団体」と声高に唱え、紀藤正樹弁護士に至っては共産党の会合で「1兆円超えの被害が出ている」とホラを吹き(同年7月26日)、志位和夫共産党委員長は第6回中央委員会総会の幹部会報告で、教団を反社・カルト集団とし「自民党など政界との癒着」を徹底究明すると、各界各層に潜り込んでいる共産党員に反教団の進撃ラッパを鳴らしたのである(同年8月2日)。これに左翼メディアが呼応し新聞もテレビも教団をカルトとするラベリングキャンペーンを繰り広げた。

 リベラル派の親中、河野太郎氏が所管する消費者庁は「霊感商法等の悪質商法への対策検討会」を開いたが(同年8月29日)、その検討会委員に入り込んだ紀藤弁護士は会合に「カルト問題キリスト教連絡会」の電話一覧表などの資料を持ち込み、「教団=カルト」として対応するよう政府に迫った。まさに中国の宗教弾圧の論理を自由民主主義国の日本に持ち込んだ瞬間であった

「戦う民主主義」で自由を守る政党たれ

 自民党が真に自由民主党であるならば、これに屈することは許されないはずである。なぜならば、自由民主主義国は「何人に対しても」信教、言論、結社、政治活動の自由を保障しているからである。ところが、岸田文雄首相はこともあろうに「教団決別宣言」を行った(同年8月31日)。あまりにも軽率な判断に驚かされたが、それ以降、共産党やその一派、左翼紙はその言質をとって「魔女刈り」を繰り広げ、本連合との関わりもその対象としたのである。

 ドイツは「戦う民主主義」を標榜しているが、それは自由と民主主義を守護するためである。自民党もかくあらねばならない。自由を守護しようとする政党ならどの党もそうである。共産主義の策動に乗せられていてはわが国の自由が危ない

【思想新聞月11月1日号】ハマスの奇襲攻撃 背後には中露の影/真・日本共産党実録/特別寄稿/共産主義「定点観測」

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