日本共産党は警察庁が「現在においても『暴力革命の方針』に変更はないものと認識している」(政府答弁書=2016年3月)とする、破壊活動防止法に基づく調査対象団体である。
1922年に国際共産党(コミンテルン=実質的にソ連共産党)日本支部として創設されて100年余、暴力革命路線を放棄したことは一度たりともないのである。その共産党の機関紙「しんぶん赤旗」は日本革命の尖兵であることは論を待たない。文字通りの革命のための共産党機関紙である。
ところが、朝日新聞などの左派メディアは「赤旗」を自らと同列の「報道機関」と呼び、大阪・関西万博の会場取材から「排除されている」との共産党の主張に同調し、あろうことか日本国際博覧会協会(万博協会)を非難している。
まことにもって滑稽な風景である。このことは朝日新聞がまさに「赤旗」と同列の革命の尖兵であることを白状したにも等しい。良識ある国民よ、朝日新聞を筆頭とする左派メディアの正体をしっかり見定めようではないか。
共産党に便宜を与える朝日の愚

「赤旗」の取材を拒否した大阪・関西万博の会場
万博協会は大阪・関西万博の開催に当たってメディア向けの取材許可証の発行対象者として①報道機関②フリーランス③インフルエンサー④その他―に分類し、「政党機関紙は報道機関の類型には該当せず、報道機関と取り扱いが異なる」(茂木正・経産省首席国際博覧会統括調整官)との立場を取り、「赤旗」を「その他」として扱い報道機関に発行している取材許可書を出してこなかった(産経ネット版4月24日配信による)。この見解に違和感はない。
ところが、朝日は4月11日付社会面に「日本共産党の機関紙『しんぶん赤旗』が10日発行の紙面などで、日本国際博覧会協会から取材を拒否されていると報じた」などと「赤旗」の主張をなぞる記事を掲載し、まるで使い走りのように同協会を取材し問題化するよう企てた。
この朝日記事に追従するように東京新聞4月15日付「こちら特報部」は、「大阪万博を批判する『しんぶん赤旗』を取材拒否」との見出しで、「巨額を投じた公共事業において報道機関を選別する姿勢に異論が噴出している」と、「赤旗」を臆面もなく「報道機関」と記し、共産党や朝日の主張を「異論が噴出」などと持ち上げ、反万博協会姿勢を露わにしている。
また毎日新聞4月20日付では放送タレントの松尾貴史氏がコラム欄で同問題を取り上げ「メディアを選別・排除するやり方に、大きな違和感を禁じ得ない」「特定のメディアを排除する姿勢」などと「赤旗」をメディア、メディアと叫んでいる始末である。
共産党の走り使いの極めつけは朝日4月26日付の「万博赤旗問題 不透明な運用を戒めよ」と題する社説で、万博協会の「禁止事項」にある「特定の政治、思想、宗教等の活動目的に利用されるおそれがある事項」や「万博の品位を傷つけ、または正しい理解の妨げとなるおそれがある事項」をやり玉に挙げ、「恣意的な解釈で取材・報道の自由を狭めてはならない」と、「取材・報道の自由」を口実に「赤旗」すなわち共産党を後押ししているのである。
まさに噴飯モノの言い分である。特定の政治目的に利用されたり、万博を妨害する恐れがあるのを禁止するのは当たり前である。政党機関紙をメディアと同等に置かない。これも当然のことだ。それがなぜ「恣意的な解釈」なのか、理解不能である。万博協会は「赤旗」を入場禁止にしているわけではない。入場料を支払って〝取材〟すればいいだけの話なのだ。
そもそも共産党機関紙とはいかなる存在なのか。そのことを左派新聞は肝に銘じるべきである。元来、レーニンはロシア共産党を創立する以前に『イスクラ』(火花)と題する機関紙を作った。「社会主義の公然たる宣伝の道、公然たる政治闘争の道に進みでるときは全国的政治新聞が不可欠である」(『イスクラ』編集局の声明草案=1900年2月)という認識からだ。その上で「新聞は、集団的宣伝者および集団的扇動者であるだけでなく、集団的組織者でもある」(『何をなすべきか』1902年)と位置付けたのである。
無知蒙昧の徒か確信犯的同調者
すなわち共産革命(暴力革命)のための宣伝と扇動、そして組織。それが「赤旗」である。だから彼らは一般新聞を「ブル新」(ブルジョワ新聞)と蔑んできたのである。そもそも「赤旗」記者は「(党で)決定されたことは、みんなでその実行にあたる」(日本共産党規約第3条2)という「鉄の規律」を義務付けられた共産党員なのである。
「赤旗」を報道機関とかメディアと呼ぶのは、それこそ無知蒙昧の徒である。あるいは「赤旗」に反万博取材の便宜を与えようとしている同じ穴のムジナである。朝日などはその確信犯的な「赤旗」支援の徒なのであろう。
朝日の元記者、長谷川煕氏の証言にあるように「真実の追求から離れ、陰に陽に、無意識でか意識してかマルクス主義の思考」にくるまっているのが朝日である(『崩壊 朝日新聞』WAC刊)。ゆえに我々は「赤旗」の使い走り、朝日新聞を嗤うのである。
【思想新聞 5月15日号】米・ウ資源協定署名でロシアに合意圧力/真・日本共産党実録/連載「文化マルクス主義の群像」/朝鮮半島コンフィデンシャル