韓国は親北政権と保守派で激しい内戦状態 │『統一日報』主幹・洪熒氏 (前編)

世界思想特集「日韓問題のリアル」(3月号)に掲載されたインタビュー記事です。

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【インタビュー】韓国は親北政権と保守派で激しい内戦状態

韓国で「*ポリティカル・コレクトネス」が吹き荒れる状況は「民主化勢力」の憲法無視の常態化と並行してきたものだ。[前編](文責 編集部)

 

『統一日報』主幹・元駐日韓国大使館公使

洪 熒 氏

*ポリティカルコネクトネスとは‥性・民族・宗教などによる差別や偏見、またはそれに基づく社会制度・言語表現は是正すべきとする考え方。政治的妥当性。PC。

数万の韓国民が文在寅大統領を「国家反逆罪」で告発

 

 今一番わかってほしいのは、今の日本人が文在寅政権に対するストレスが100だと仮定すると、韓国の保守派の人間のストレスは1万ぐらいになる、ということだ。

 

 むしろ日本人より韓国人の方が遙かに、文在寅政権にストレスと不愉快さと敵対感を感じているのだ。

 なぜか。

 それは文在寅は「韓国」を認めていないからだ。 

 

 要するに、文在寅は今年が韓国の「建国100周年」ということを言っているからだ。つまり「3・1独立100周年」だ。そもそも日韓関係というのは、1948年に独立した韓国と日本が国交正常化したのであり、1919年に独立した韓国というのは事実ではない。その「妄想」に駆られた文在寅とは、まともに話ができない。だから我々は彼を「与敵罪」で検察に正式に告発しているわけだ。

 

韓国は「反日親中」との報道は全体主義勢力を利する

 

 日本人の文化的性向で、細部を切り取って細かく指摘するのには正直、疲れる面がある。テレビのコメンテーターで登場する「朝鮮屋」たちはみなそうだ。 

 私はベトナム戦争の時に戦場にいた。アメリカと一緒に作戦をやったが、米軍は間違って我々を誤爆したりすることもあった。

 

 だから時には死者が出ることもある。私が担当する地域のベトコン兵が現れる所で、射撃・制圧しようとする場面に偶然米軍が入ってきて大変だった。でも米側が通告なく入ってきたことを謝り、その時は幸いにも死傷者は出なかった。戦場ではそういうことがよく起きる。湾岸戦争で米軍の死者は味方同士の撃ち合いで死んだ者も多い。それを避けるためにも普段から共同訓練をするのだ。

 

日本は70年も平和だからかわからないが、その現実を受け入れず、ある部分だけを切り取って事細かに議論する傾向がある。

 

 

 韓国国民の少なくとも数万人が、文在寅を「与敵罪」で告発しているのに、日本では「韓国国民がすべて文在寅と同じ反日である」といった議論には正直、疲れてしまう。

 日本のメディアが果たしてどれほど、数万の韓国民が国家に反逆し処刑しかない「与敵罪」で訴えていることを報道しているだろうか。

 

 冷静に真実が何であるのかを、韓国も日本もメディアは報道してほしい。

 

 今、韓国で行われている「内戦」とは、真実と嘘との戦いだと言うことができる。

 

文在寅政権に反対しデモを行う各地から集まった市民達。韓国とアメリカの国旗を掲げながら「文在寅退陣せよ」と訴えている。見えにくいが、推定500人近く集まっている。

 

 その典型が、朴槿恵前大統領が弾劾訴追された契機になった2016年10月24日の韓国ケーブルテレビ局JTBCが報じた「崔順実国政介入疑惑」で、その唯一の「証拠」とされたタブレットPC(崔順実氏が朴大統領演説文の修正に使用したとされた)が、実は「崔順実の所有物ではなかった」という衝撃の事実が明らかになったことだ。

 朴槿恵政権の青瓦台ニューメディア政策秘書室の金ハンス元行政官が所有していたものを、ある経路からJTBCに提供され崔順実所有と捏造報道されたものだ。この捏造疑惑を、邊煕宰・黄意元といった気骨あるジャーナリストらが追及・解明したが、文在寅政権が彼らを逮捕・投獄した有様だ。

 証拠としたタブレットPCを捏造して国家元首を引きずり下ろし、33年の懲役を科し刑務所にぶち込んだ。これは死罪にもあたる重大な国家反逆罪だ。

 そのタブレットPCが捏造だったことが明らかになった件について、日本のどのメディアもほとんど報じていない

 

 

 大統領弾劾の時、ワイドショーで面白おかしく騒いだのに、誤りだったことを訂正しようともしない。

 

 韓国国民が今まで騙され、真実が明らかになってきた今、国民の間で抵抗が起きているのではないか。それを一切、日本のメディアは報じない。

 

 さらに日本の人々は、韓国が本当に「反日親中」の国になってほしい、と言わんばかりの行動・報道になっている。それが結果的に、文在寅が最も喜び、金正恩、習近平の「思うツボ」になっているのは、非常に由々しい問題だ。

 

 

慰安婦像・微用工の集会の数百倍の太極旗デモ報じず

 

 もちろん、文在寅政権下にある韓国が問題なのは言うまでもない。だから、我々は命がけで、100万人が血を流したとしても、こうした韓国を正常化しなければならない。

 親米保守派の「太極旗デモ」が行われていることすら日本ではほとんど報じられない。

 

 韓国の正常化の動きの礎となるはずの太極旗デモは、2016年の12月から2年間、毎週土曜日ずっと行われてきた。慰安婦像問題でたった20人、「徴用工」問題で40人が集まっているが、その何十、何百倍の人間が結集して続けられてきた太極旗デモについては、日本のメディアは一切報道していない。

 その意味で、我々の『統一日報』は小さい新聞だが、真実を報道する、という使命を担っていると自負している。真実を報道することを信条としているため、一度も電話で抗議を受けたことはない。

 

 最近では全羅道を批判することが多いが、単なる「地域エゴ」「地域差別」ではなくて、あくまで全羅道出身者の「従北」たちが平壌と組んで合体したような形になっているからだ。その上、彼らは公に反論ができなかったこともあるだろう。

 

もちろん、文在寅政権とは天敵と言っていい関係にあり、凄まじい圧力がかかるのも事実で、その卑劣な手段が「広告」だ。朴槿恵前大統領弾劾の「証拠」にされたタブレットPC捏造の渦中の金ハンス元秘書官の顔写真を掲載した新聞メディアは、「統一日報」だけだ。

 例えば、徴用工問題で文在寅政権は、青瓦台官邸や外交部から、さすがに「日本とこれ以上やり合ってはいけない」と文在寅に進言しクギを刺すと、彼は、「いや、あくまで問題にしなくてはいけない」と言ったという。これはソウル情報筋の話だ。

 韓国はもちろん、日本との請求権協定は守らなければいけない。そして本当に支援の必要な人に対しては韓国政府が補償する、ということが韓国サイドも織り込み済みの政策だった。

 

 文在寅の「盟友」ともいうべき盧武鉉政権の時に既にその判断をしていたはずだった。

 だから文在寅は事実、「共産主義者」だからだと言うほかない。彼の目指すところは結局、共産陣営、共産全体主義との連携にほかならないからだ。

 

 その意味で韓国は、朴大統領弾劾以降、キレイに整理されたと言える。つまり、個人では意識していないかもしれないが、中国共産党の習近平と金正恩、そして彼らと連帯する文在寅反逆勢力、つまりこうした「共産全体主義勢力」と、それと戦う「反全体主義勢力」とに、完全に二分されたということだ。

 だから私は韓国のこの状況を「内戦」だと呼んでいる。

 

 そもそも、10年も前から「韓国は内戦状態に入った」と唱えてきた。にもかかわらず、誰もそれに耳を傾けようとはしなかった。

 

 

 特に日本のメディアでコメントする際には、「平和」状態が当然で、「戦争」「紛争」を口にしようものなら、「悪い人間」にされてしまう。これは一種の「ポリコレ」(PC=ポリティカル・コレクトネス)だ。あれを言えない、これを言えないとかが多すぎる日本は典型的な「ポリコレの国」とも言える。

 

 だから私には以前、「金正日、金正恩は悪魔だ」と書いた原稿にクレームがかかり、原稿を取り下げたこともある。私は「悪魔」という表現でしか表せないと考えたから拘ったのだ。

 

 これは「文化共産主義」によるメディアの「自主検閲」ということだ。それが今、とんでもない憶測と誤解で間違った結論(「韓国は自由民主国家でなくてよい」「韓国は中朝と同じ共産陣営に組み込まれる」など)が導き出されようとしている。

 

 

 今、韓国では、良識ある人々が、全体主義勢力から韓国を守るために必死に取り組んでいるのに、「韓国人は皆反日だ」とか言うのは、全体主義と戦う人々の背中を刺して、全体主義勢力の伸張をかえって助けることになる。そして、文在寅に報復すべき事案を、文在寅と戦う韓国人全体に報復措置が取られてしまえば、習近平と金正恩の思うツボにはまってしまう。

 

 

 

 文在寅が昨年9月19日、3度目の南北首脳会談後に平壌市民15万人を前に演説した内容は「金正恩委員長と自分は韓半島の未来を切り拓いていく」という「連邦制への宣言」だった。その中身について日本ではほとんど報道されなかった。

 

 

 文在寅は自分の前任者たちをことごとく刑務所に送ったのに、北と一つになろうとしている。

 憲法の下で国民が選んだ大統領たちを刑務所に入れ、自分の兄弟をも殺す金正恩とどうして統一できるのか。韓国国民を巻き込まないでほしい。

 

 与党の共に民主党では昨年、新しい憲法の制定を唱えた。そこで主張したのは「土地の国有化」だ。これは自由民主主義を廃棄した完全な社会主義・共産主義革命だ。

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【ホン・ヒョン】1948年ソウル出身。陸軍士官学校卒業。歩兵将校として野戦部隊の小隊長などを経て国防部勤務。外務部へ転職後、駐日韓国大使館で参事官と公使を務める。退官後、早稲田大学客員研究員、桜美林大学客員教授を経て、現在、統一日報主幹。著書に櫻井よしこ氏との対談本『韓国壊乱』(PHP新書)、訳書に『蜃気楼か? 中国経済』など。

 

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