(続)韓国は親北政権と保守派で激しい内戦状態 │『統一日報』主幹・洪熒氏 (後編)

世界思想特集「日韓問題のリアル」(3月号)に掲載されたインタビュー記事です。

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【インタビュー】韓国は親北政権と保守派で激しい内戦状態

韓国で「*ポリティカル・コレクトネス(PC)」が吹き荒れる状況は「民主化勢力」の憲法無視の常態化と並行してきたものだ。[後編](文責 編集部) 

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『統一日報』主幹・元駐日韓国大使館公使

洪 熒 氏

*ポリティカルコネクトネスとは‥性・民族・宗教などによる差別や偏見、またはそれに基づく社会制度・言語表現は是正すべきとする考え方。政治的妥当性。PC。

日本は、朴槿恵政権を教訓に、PCリベラルに警戒すべきだと思う

 

 日本では父の朴正煕大統領が立派だったから、娘の朴槿恵政権に期待した部分も大きい。

 本当は朴槿恵政権にも言いたいことは沢山あるが、今はもっと酷くて、朴槿恵政権の国情院長など、尊敬し親しくしていた人たちが刑務所に入れられる、とんでもないことになっているのだ。

 

 槿恵も朴正煕になれなかったのは、PCリベラルに汚染されていたからだ。

 

文在寅政権に反対デモを行っている韓国保守派の人々。「文在寅大統領は退陣せよ」「朴槿恵前大統領を解放せよ」と、現政権のとんでもない実態に不満の声が高まっている。

 

 だが実は今の日本も、自民党でもPCリベラルに汚染されている政治家があまりに多い。

 

 だから、今の韓国の悲惨な状況を、日本は教訓として活かしてほしいとさえ思う。

 

 在韓米軍問題など韓国では反トランプの動きもある。万が一在韓米軍が撤退する事態になれば、日本を含む東アジアの安全保障・軍事バランスが大きく変化することになる。

 

 

大国の責務で目標と戦略立てるトランプ政権に協力を

 

 

 目標設定が違う。トランプの目標が何かということ。韓国の現憲法下では5年の大統領の任期をエンジョイすればいいと思ってる政治家がほとんど。

 昔、李承晩、朴正煕、全斗煥という大統領までは、自分は国の最高司令官として命を賭けてもやり遂げるとの覚悟があった。

 

 しかしソウル五輪以降の文民大統領らはそういう器ではなかった。国のため奉仕するのはこれだ、という高い道徳目標や戦略を持たず、それを設定できる知的能力が足りなかった。歴史観や価値観、国際的な文明史の流れ、それらすべてを踏まえた上での結論として、自分の目標や戦略になる。

 

 トランプの場合、70歳すぎて大統領を志し、自分が大統領になればワシントンを変える、PC(ポリコレ)リベラル思想にミスリードされたアメリカを変える、という確固とした目標があった。ペンス副大統領にもそうした戦略・目標がある。大国としてアメリカには特にそうしたものがある。だが責任もない普通の小さな国はそうしたものを持たない。

 

 中国の覇権主義とアメリカの自由民主主義とでは、我々韓半島は文明史的にどちら側に立つのが正しいか判断することは、切実に現実問題として存在する。

 

 

 在韓米軍を俎上に載せるトランプだが、彼はオバマ政権より国防費を強化している。空母も10隻から12隻に増やす。中国の脅威のためだ。

 覇権主義に突き進む中国という、近代文明史的背景を持たない彼らを文明社会の共通のルールと調和するように改めさせたい、というのがペンス演説のように、アメリカの戦略的目標だ。だから今の中国は「文明社会の秩序」を満たせない存在で、共産党独裁の全体主義体制を解体できるか、という段階になってきている。

 

 

 その中で韓国という存在をどう捉えるのか。だから韓国の反全体主義者たちは、トランプやペンス、ボルトンらの考える中国戦略と完全に一致している。アメリカがもし文明史と韓国の未来を考える右派勢力の存在を認識し、一緒に自由民主の価値観を有すると判断すれば韓米の同盟は必ず維持できると思う。

 

 それで米軍撤退なら仕方がないが、韓国ほどの経済規模の国を、軍が撤退して全体主義勢力に引き渡すことは有り得ない。その意味で「反全体主義」陣営にとって韓国の価値は、計り知れないものがある。それさえハッキリすれば、戦術的に在韓米軍が何千人か減っても、本質は変わらないはずだ。

 

 

 ただ、ソウルでは確かに「反トランプ」のデモが行われているが、正直言って勉強不足の連中だ。

 本来なら我々だけの力でやるべきことを、アメリカが同じ方向で守ってくれているのだから、有り難く思うべきなのだ。

 

 

未来のため新しい韓国精神を育てる覚醒運動に活路を

 

 現在の精神的荒廃から韓国を蘇らせるには、30年はかかるかもしれない。

 実は韓国の未来のために「新しい韓国精神」を育てる覚醒運動が始動している。

 

 それは、先述の李栄薫・李承晩学堂校長とともに、元旦号のインタビューで紹介したのは、「韓国教育文化運動センター」の朴誠賢代表のYouTubeにおける精神復興運動などだ。朴誠賢氏は「健康で素朴で強靱な韓国人像」を強調しているが、それこそが国の未来を担うべき新しい韓国精神なのではないか。

 

 

 

【ホン・ヒョン】1948年ソウル出身。陸軍士官学校卒業。歩兵将校として野戦部隊の小隊長などを経て国防部勤務。外務部へ転職後、駐日韓国大使館で参事官と公使を務める。退官後、早稲田大学客員研究員、桜美林大学客員教授を経て、現在、統一日報主幹。著書に櫻井よしこ氏との対談本『韓国壊乱』(PHP新書)、訳書に『蜃気楼か? 中国経済』など。

 

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