世界思想10月号を刊行しました。今号の特集は「迫りくる台湾有事 どうする日本」です。
ここでは特集記事の一部 【尖閣と台湾は一衣帯水 集団安保体制の構築を】 についてご紹介します。
台湾有事と日本の国益
7月13日、岸信夫防衛相は閣議で2021年版防衛白書について報告。「台湾情勢は日本の安全保障にとり重要」と初めて明記された。
デービッドソン前米インド太平洋司令官は「中国の台湾への野心が6年以内に顕在化」すると証言。台湾有事への危機感をあらわにした。
こうした事態は日本の国益にも深刻な影響を及ぼす。
中国大陸とフィリピンの間にあり、南シナ海に蓋をする位置にある台湾が中国の勢力圏に入ることは、日本にとってシーレーンという命綱を握られることを意味する。
また与那国島と台湾島の距離はわずか100キロであり、尖閣諸島はおろか、沖縄県全体が恒常的に安全保障の危機にさらされることになるだろう。
日台関係強化に向けた動き
そうした中で、「日台関係基本法」の法制化を促す動きがある。
例えば台湾と「一衣帯水」の尖閣諸島を抱える石垣市議会では今年3月15日、同法制定を求める意見書が賛成多数で採択。
また台湾関係法とは別に、自民党の保守系有志議員らの「保守団結の会」は、台湾との関係強化を図る「日台交流基本法」の制定をめざす決議を3月に採択した。
中国が台湾産パイナップルを輸入禁止にしたことで日本が輸入協力したこと、日本から台湾への新型コロナワクチンの無償供与など、最近の出来事をみても日台関係の「絆」や協力関係を強める方向に力が働いていることは間違いない。

日本で台湾パインが人気急上昇。中国の嫌がらせともいえる輸入禁止の被害緩和につながり、とても感謝された。
しかしながら、米国の「台湾関係法」が包括的な台湾防衛を記した「非公式の同盟」であることを考えると、日本も同じ法律をすぐ制定するのは容易ではない。
政権選択も、集団的自衛権に基づく台湾有事対応の検討を踏まえよ
そこで生きてくるのが「集団安全保障」の思想である。
これに関し8月5日、麻生太郎財務相が、「台湾有事は存立危機事態に関わる」と発言した。集団的自衛権の定着は、抑止力の精度向上につながる。
台湾を含むインド太平洋の集団安全保障体制の構築こそ、わが国にとって最重要の課題なのである。
そろそろ、日本は「平和ボケ」を脱しなければならない。
わが国の防衛態勢を整えることは、直接的に自国を守るだけでなく、中国の脅威から、台湾はじめインド太平洋を守る責任の一端を担ううえでも不可欠だ。
憲法改正、防衛費の増額といった積年の課題に真正面から取り組むべき時である。その意味で、今秋の衆院選の帰趨が注目される。
間違っても、アフガンの自衛隊派遣を批判し、「誰を運ぶのか」(小池晃書記局長)とまで言い放った日本共産党が絡んだ政権を登場させるべきではない。
(「世界思想」10月号より )
◆2021年10月号の世界思想 特集【迫りくる台湾有事 どうする日本】
Part1 一つの中国論 それぞれの視点
Part2 今日の香港は明日の台湾 求められる自由主義圏の結束
Part3 尖閣と台湾は一衣帯水 集団安保体制の構築を
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