都内性教育の「過激な実態」を憂う(上)

小学4年生に男女の性器をリアルに解説 保護者として受け入れられず

ある日突然、小学二年生の子が印刷物を持ち帰ってきた。内容は性教育を実施したというもの。主に「母と子はへその緒でつながっている」という内容で、妊娠した女性が裸である点は、多少気になるが、そこまで過激な性教育ともいえない。これならギリギリセーフかな、と思いつつ印刷物を読み進めると、4年生でも性教育を行う予定であるという。2年生と4年生の娘がいるため不安に思っていると、その内容は「性器の違いと精子・卵子」であると書いてある。足立区性教育問題を通して、学習指導要領には、教師が性教育を行う際には保護者の理解を得るよう配慮すべきであると明記されていることを思い出した。

ところが印刷物は性教育の結果報告。最下段には感想を書く欄があるが、ほんのわずかしかなく「意見を聞いた」というアリバイ作りのようにも思える。そこで学校に電話をし、教育内容の確認に行った。印刷物が校長・副校長の確認の下で配布されていることも確認した。養護教諭の説明によれば、(性教協※などの)何らかの研究グループに所属しているのではなく、長年の教諭の経験や校外研修等で得た資料を元に、自ら教材を作成しているのだという。

※性教協・・・創設者は山本直英氏。山本氏は著書「性教育のススメ」の中で「この男と女とは、たとえ結婚に結びつかなくても、婚前でも、婚外でも、たとえ親子の不倫でも、子弟でも、まさに階級や身分や制度を超えて愛し合うことが可能」と記し、家族概念や倫理観の破壊につながる過激な性教育実践を指導。思春期前の小学生に対しても、詳細な性情報を与えることを推進している。

養護教諭は4年生用のプレゼンデータを使い、模擬授業をしてくれた。命の尊さを伝える話がしばらく続くが、その後に男女の性器のリアルな解説が始まる。精子や卵子がどこから出るのかも詳しく説明(写真②)。率直に言って、「こんな授業は小4の娘には受けさせらない」と思った。

養護教諭は4月に当小学校にやってきた。そして2人の姉の時代には、同様の性教育はなかった。その点について尋ねると、「現行の教科書では小5で動物(メダカ)の受精卵について学ぶ程度。私は先取りして、より具体的に説明するんですよ」と説明する。感想を求められたため、「学習指導要領や教科書を超える内容なら認めない。この内容ならうちの子は受けさせられない」と、はっきりと伝えた。これで話は終わりかと思いきや、養護教諭には話を全く聞き入れる様子がない。むしろ、「できるだけ具体的に説明すべきだ」という教諭の主張を繰り返す。

私も意見を変えないので、ついに養護教諭は副校長を呼んだ。後で考えると、説明が行き詰ればあらかじめ副校長を呼ぶ手配だったようだ。

副校長にも私の意見を伝えたが、副校長は「学習指導要領を著しく逸脱しているとまでは言えないと思うんですけどねえ…」と言いながら、やはり一向に意見を変える様子がない。結局この場は私が考えを変えるまで終わらないのだと悟り、「お互いの意見は平行線ですね。では、平行線であるという事実を持ち帰ります」と話すと、「できれば納得して帰ってほしい」と言われた。そしてさらに二人の説得が続く。(鈴木実 =次号に続く)

思想新聞掲載のニュースは本紙にて ーー

9月15日号 トランプ政権 熾烈さ増す、対「メディア」戦 / 主張「辺野古《撤回》の欺瞞は明白だ」 /  三河安保大会300名 etc

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