改憲で「令和」の時代を切り拓こう

 

 「令和」の御代が5月1日から始まった。近代日本がスタートした明治から大正、昭和、平成を経て、新たな時代へと移ったのである。こうした時代感覚は日本人独特のものであろう。

 しかしながら、この間、時代の「断絶」があった。言うまでもなく、昭和20(1945)年の敗戦である。それ以前と以後とでは国の在り様が大きく変わった。もとより元号が途切れなかったように日本の本質は不変だろう。だが、それでも断絶が今なお横たわっている。これを「令和」の時代に超克しなければならない。憲法改正である。

 

 戦後、元号は左翼共産勢力の標的にされてきた。旧社会党は昭和54(1979)年に元号法が制定された際、「元号法は憲法の精神にそむき、国家統制と政治反動の助長につながりかねないと反対し、元号は『昭和』で廃止すべきだ」と主張し、共産党は「元号法は軍国主義復活・強化のたくらみと軌を一にし、天皇元首化・憲法改悪などの反動的策動の一環をなすものであり、憲法の主権在民原則に反する」とした。

 

日本人を貶めた現行憲法の正体

 

 だが、こうした左翼の言説を退けて元号法が制定され、昭和から平成の時代へと元号を継いだ。そして今回、「令和」に決まった新元号について国民の圧倒的多数が「良い」と祝った(たとえば時事通信社世論調査84・8%=4月12日)。また新元号が日本の古典「万葉集」から引用されたことについても圧倒的多数の国民が評価した。元号は左翼言説を粉砕し、圧倒的勝利を収めたのである。

 ならば、日本国民は次なる課題に立ち向かわねばならない。左翼勢力によって元号の対極に置かれた現行憲法を粉砕しなければならない。

 

 戦後憲法こそ、歴史の断絶を体現しているからだ。そもそも日本人自らが作ったものではない

 

 終戦直後に連合国軍総司令部(GHQ)すなわち占領軍によって草案が作られた。ノンフィクション作家の児島襄氏は、第二次大戦の最中に米国は日本を占領するに当たって一般的な軍事占領だけでなく、「基本的人権」「民主主義的傾向」を尊重する政府が樹立されるまで占領を続ける政治占領するという前例のない占領方式を決めたと指摘している(『史録日本国憲法』文藝春秋社)。

 

 すなわち連合国は最初から日本の国体の変革を目指し、帝国憲法から「民主憲法」に転換しない限り占領し続けると考えていた。

 民主主義を唱えつつ、占領下の憲法制定という国際法に違反する非民主主義的行動を行う、この矛盾を押し隠して現行憲法を制定した

 

 起草に当たったGHQ民政局の主だったメンバーはケーディス、ラウエル、ノーマンらの急進的なリベラリストで、草案には彼らの思想(すなわち共産主義思想)が色濃く盛り込まれた。GHQはこの英文の草案を日本政府に突きつけ(だからマッカーサー草案と呼ばれる)、その翻訳による改正原案の作成を迫り、憲法改正草案要綱として発表した。要綱はGHQの圧力のもと字句についての修正が許されただけで、草案はほとんどそのまま日本国憲法となった。

 国際法すなわち1907年に締結されたハーグ条約は、占領下など異常なもとで制定された法律は無効と定めている。占領下での憲法制定も当然、許されない。だから、同じ敗戦国でもドイツは国際法に基づき憲法を制定せず、暫定的に基本法(通称ボン基本法)を創った。

 フランス共和国憲法も「いかなる改正手続きも、領土の保全に侵害が加えられている時には開始されない。また続行されない」としている。このように憲法はあくまでも自国民の自由意思によって制定されるべきものなのである。それが民主主義の原則であり、国際法の常識である。ところが現行憲法はそうではない。国際法を踏みにじった無法憲法なのだ。

 

元号の次なる課題真の憲法の制定だ

 

 日本国民は「令和」の新元号を歓迎し、それが日本の古典「万葉集」から引用されたことを評価するならば、占領版・現行憲法を野放しにしておいてよい道理はない。このことを国民自らが問わねばならない。そこから新憲法の制定を目指さねばならないのである。

 

 こうした認識は保守だけのものではない。古くは日本共産党が昭和20年11月に掲げた行動綱領に「天下り憲法廃止と人民による民主憲法の制定」をうたった。現行憲法をGHQの「天下り憲法」と断じ、「人民による」憲法制定を唱えた(もっとも当時の共産党は「天皇制打倒・人民共和政府の樹立」も主張したが)。

 最近では野党の盟主を自負する小沢一郎氏が「誤解を恐れずに言えば、占領下に制定された憲法が独立国家になっても機能しているのは異常である…(独立時に)占領下に制定された憲法は無効であると宣言し、もう一度、大日本帝国憲法に戻って、それから新しい憲法を制定すべきであった」(『文藝春秋』平成11年9月号)と述べている。

 

 憲法の制定過程を想起すれば、元号の次には憲法改正に着手しなければならない

 国民自身の手で渾身こんしんの思いを込めて、わが国の歴史と伝統を継承した真の日本国憲法を制定し、断絶された歴史を繋つなぎ直さなければならない。

 

思想新聞主張「体制共産主義に警戒を」5月1日号より(掲載のニュースは本紙にて)

5月1日号 日米、「新領域」で防衛連携強化 /自主憲法制定、国連刷新を 宮城で安保セミナー/ 主張「改憲で令和の時代を切り拓こう」 etc

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