8月20日に出版予定の樋田毅著『旧統一教会 大江益夫・元広報部長懺悔録』(光文社、以下『懺悔録』)に関連して、「SmartFLASH」が8月6日、「『赤報隊事件』旧統一教会・元広報部長が明かす“散弾銃訓練”と“武闘派”…教団からは『懺悔本』出版への圧力も」と題する記事を配信した。『懺悔録』の記載内容は当連合にも関係するため、本書の出版前であるが、当連合の声明を公表する。
なお当連合は、関係者からの提供により、出版前のレイアウト済み原稿を確認している。本書には、当連合にまつわる事実無根の記述が多数散見されたため、当連合の代理人弁護士を通じて、光文社と樋田氏に「通知書」を郵送予定である(後日、通知書は当連合のウェブサイトに公開予定)。
『旧統一教会 大江益夫・元広報部長懺悔録』に関する当連合の声明
「赤報隊事件」は、1987年5月3日に朝日新聞の2人の記者が殺傷された、阪神支局襲撃事件をはじめ、世間を震撼させた凶悪事件であり、暴力によって言論の自由、民主主義の根幹を破壊しようとする暴挙であった。よって、当連合としても同事件を決して容認することはできない。
このような赤報隊事件に、当連合の関係者が関与していたかのような主張も断じて看過できるものではない。
また「赤報隊事件」と関連して、当連合内に「秘密軍事部隊」や「裏部隊」があるかのような報道が一部に見られるが、当連合が創設された1968年から現在に至るまで、当連合内に「秘密軍事部隊」なる組織や、それに類するような組織が存在した事実はないことをハッキリと申し上げる。
樋田毅氏に対しては、かつて「週刊文春」(2022年9月8日号)の記事でも抗議したが、今回の『懺悔録』も、樋田氏が当連合に一切取材することなく書いた、事実無根の記述が多数散見されるものである。
一方、大江氏は本書で「国際勝共連合の渉外局長」として、その立場を前提とした証言を行なっている。しかし、大江氏が当連合の「渉外局長」や、その他の役職に就いていたという事実はない。このように大江氏は、経歴詐称を平然と行い、個人的な妄想を平気で語る人物である。このような二人によって作り上げられたのが、この『懺悔録』なのである。本書の事実無根の記載内容については、今後公開する「通知書」での反論をご確認いただきたい。
以下、若干の解説を加える。
大江氏は本書で度々明言しているが、1979年に当連合の渉外局長に就任した事実はなく、当連合本部の役職に就いたことすらない。1979年当時の渉外局長は別の人物であり、その下の渉外部長もまた別の人物であった。大江氏が当連合の「渉外局長」はおろか、当連合の役職に就いていなかったことは、当時を知る複数の責任者らの証言などからも明らかである。本書には、大江氏が当連合の「渉外局長」という「要職」に就いていたからこそ、知り得たかのような情報が様々書かれている。しかし、当連合の内情を実際にも知り得ない立場にいた大江氏の、さらには経歴詐称を平然と行う人物の、その証言の信憑性、真実性は全くないと断言できよう。
また、大江氏は統一教会広報部長だった1997年、「(教団と「赤報隊事件」との関係について)我々は、まったくの潔白なんです。強調しておきたいのは、赤報隊事件に関して、警察から教団に対する取り調べは一切ない」と答えている(「週刊文春」1997年5月15日号)。
ところが、『懺悔録』では「統一教会や国際勝共連合が組織的に事件を起こしたとは思わないが、組織の末端のグループが暴発した可能性があると考えている」と言及。二つの発言は明らかに矛盾しており、信憑性に欠けるのは明らかだろう。
以上、前述したように、『懺悔録』の事実無根の記載内容への反論については、今後公開する「通知書」をご確認いただきたい。
【参照記事】
・朝日新聞社から樋田毅氏への抗議文(2020年3月26日)
・国際勝共連合から「週刊文春」や樋田氏への抗議文(2022年9月7日)