「全国弁連」の不都合な真実(下)

 

「強制改宗屋」と連携する紀藤弁護士

 2022年8月18日、立憲民主党は「旧統一教会被害対策本部」の会合で、世界平和統一家庭連合の信者を暴力的に拉致監禁の上、強制改宗させてきた宮村峻氏を「脱会支援者」として招聘しヒアリングした。

 ところが、宮村氏は家庭連合信徒の後藤徹氏を12年5カ月に及ぶ拉致監禁と脱会強要したとして、後藤氏側が提訴し、2200万円の損害賠償を支払うことが最高裁で確定。この裁判でルポライターの米本和広氏が「全国弁連」内の「内紛」を明らかにした以下のようなインタビュー内容を「供述書」として提出している。

「伊藤 統一教会信者らの中には多額の献金をする人がいますが、宮村氏のような脱会説得の専門家によって脱会した後には、統一教会に対して損害賠償請求をするようになります。裁判所もこの手の事件では原告を勝訴させることが殆どですが、中には億単位の事件もありました。宮村氏はこうした高額事件を特定の弁護士だけに、具体的な名前をあげれば紀藤正樹弁護士ですが、紀藤弁護士だけに回すということを行っていました。

 しかし、我々は運動体としてやっていたので、こうした事件は全部一回、全国弁連に上げて配分すべきだし、一部の弁護士だけが潤っても後継者は育たないことから、私は抗議したこともありましたが、宮村氏はこうした主張には一切お構いなしでした」(米本和広氏ブログ「火の粉を払え」より)

 このインタビューによると、伊藤弁護士は「ホームオブハート」裁判で被告発人側の弁護をしたら、紀藤弁護士から「全国弁連」から排除されたという(ブログ「拉致監禁by宮村の裁判記録」)。

 しかも脱会・説得を行う他の牧師から「暴力的」「やりすぎ」というネガティブな評価が強く、実は法外な金を取っていることを知り、全国弁連から排斥すべきと提案。伊藤氏が所属している間は手を引いたものの、伊藤氏がやめてから再度関係が復活したという(同)。

 このように、紀藤弁護士にも「不都合な真実」が存在するのである。なお、教団改革推進本部の会見を受け、紀藤氏は「自分は左翼弁護士ではない」とテレビ番組で強弁しているが、実は日本共産党と極めて近い護憲圧力団体として知られる「九条の会」の賛同人に名を連ね、「同講師団」の一人でもあるれっきとした「左翼弁護士」である(「九条の会ニュース」2005.1.26、ちなみに山口広弁護士も賛同人)。しかも共産党への献金(2020年)も発覚し、旧統一教会の「被害相談」の「民間窓口」として、反日左翼的政治活動で知られる「日本基督教協議会」(NCC)を紹介、ツイッターでも「反自民」の立場での発言が目立つ「左翼論客」が露わとなっている。

「九条の会」に名を連ねる山口広弁護士と紀藤正樹弁護士

共産党が仕掛け朝日新聞と連携

  実は同誌キャンペーンの直前まで共産党の『赤旗』は「勝共連合のインチキ商法」と攻撃していたが、「朝日」がキャンペーンを始めた途端に停止。共産党こそまさに「霊感商法」攻撃の仕掛け人だったと言える。

 それでも結局、スパイ防止法案は1985年に議員立法として提出され、継続審議となるも、翌年の第103回国会で廃案となった。この時実は、自民党から離脱した政治集団「新自由クラブ」(河野洋平代表)の自民党への再合流の条件が、「スパイ防止法案」の取り下げであった。

 つまり「スパイ防止法潰しの霊感商法キャンペーン」と「旧統一教会=勝共連合潰し」に関わっているのが、河野洋平・河野太郎父子ということになる。

中曽根首相「『手を切れ』は自由への侵犯」

 1987年7月、共産党の佐藤昭夫議員は第109回国会参院本会議で中曽根康弘首相に対し「霊感商法の背後に、韓国仕込みの謀略団体、統一協会、勝共連合があることは明白なのに、総理の御子息や福田元首相らが勝共連合の依頼で『霊石感謝の会』に祝電を打っています」「6月4日の本院決算委員会での私の質問に対し遠藤法務大臣は、その根を絶やす方途を検討すると答弁されましたが、総理、自民党総裁として、今後、勝共連合ときっぱり手を切ると明言されますか。また、勝共連合などを使って反動勢力がたくらむ国家機密法案再提出はやらないと断言していただきたいのであります」と迫った。

 これに対し答弁に立った中曽根首相は「一部団体との関係について、自民党は縁を切れとかなんとか言っておられますが、これは思想と行動の自由に対する重大なる侵犯発言であると私は考えています。共産党の独裁的な政策の現れではないかと私は考えています。こういう思想と行動の自由を侵害するような、こういう憲法違反的発言はぜひ慎んでもらいたいと、こう思うのであります。特に今、最後に、うそとかペテンとかという非常に品位のない発言をされましたが、こういう神聖な議場でそのような品位のない発言をするということは、共産党の名誉のために惜しむものであります」として、「手を切れ、縁を切れ」との共産党の主張を明確に退けた経緯がある。

「強制改宗」の背後に共産党系弁護士

 前述したように、「全国霊感商法対策弁護士連絡会」と連動しているのが、スパイ防止法制定運動とともに高まり始めた統一教会信者に対する「拉致監禁による強制改宗」だ。1987年8月、京都大学原理研究会の吉村正さんが拉致からの76日間に及ぶ「監禁・説得による強制改宗」から脱出。人身保護請求を提訴し「憂慮する会」の戸田某が監禁の事実を認めた。この時に被告側を弁護したのが、青法協・自由法曹団の郷路征記弁護士ら総勢約200人の大弁護団だった。

 いくら一般には理解し難い教義を信仰する新興宗教(「カルト」と断言)だからといって、脱会改宗を説得するために、身体の自由を奪って拘束・監禁することは、明らかな「人権侵害」にほかならない。当時の戸田氏や最近の宮村氏の人権無視の暴力行為は決して許されない行為である。「洗脳(マインドコントロール)」を解くためなら何をしても構わない、というのは一つの全体主義的な「思想強制」であり、現在進行形で中国がウイグル・チベットの「少数民族」に行っている、強制収容によって思想改造させていること、そして気功集団「法輪功」の信者を弾圧・臓器収奪するのと変わらない。

 このことを、安倍晋三元総理を銃撃した山上徹也容疑者が犯行前に手紙を送った当事者であるルポライターの米本和広氏は、「反カルトのカルト性」と名付けたのである。この「カルト(=旧統一教会)の殲滅」のためなら人権蹂躙も許されるという論理は、ブルジョアジー打倒のためなら暴力革命も許されるという共産主義的全体主義の論理だ。この「カルト殲滅という正義」を振りかざし、これを生業とする人々にとり都合が悪いのが、「反カルトのカルト性」を説く中立的な米本氏の指摘である。

 なお、沖縄の反米反基地闘争でも目撃されていたのが、立憲民主党の辻元清美参院議員と極めて近いと言われる極左労組「関西生コン」だ。恐喝や威力業務妨害で87人の逮捕者を出している集団だが、左翼弁護士らは「不当逮捕」として大弁護団を組織している。だが、その中心人物こそ、福島瑞穂社民党党首の夫である海渡雄一弁護士で、「九条の会」賛同者でもあり、海渡弁護士は安倍政権が成立させた特定秘密保護法の反対組織の中心人物でもある。その関西生コン弁護団には、自由法曹団や青法協の幹部も名を連ねているのである。

【思想新聞5月15日号】3期目の習近平政権が狙う「台湾併合」/真・日本共産党実録

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