令和8年の「盛夏」である。この時節はお盆と終戦記念日が重なり、そのことを通して現世(現在)だけでなく、前世(過去)と来世(未来)へと思いを広げ、「薄っぺらな個人の私」から「立体的な家族の私」へと心情を昇華させるのである。その意味でも先の通常国会において改正皇室典範と国旗損壊罪法が成立したことは祖先と子孫に報告できる慶事であった。
折しも今年2月の国民審判すなわち総選挙から半年が経つ。国民はいかなる審判を下したのか、どのような「政策」(公約)を選択したのか、なにゆえに共産左派政党を「泡沫」に追いやったのか、そのことを改めて振り返っておく必要がある。なぜなら左派オールドメディアと左派泡沫政党は「国会をゆがめた首相の独善」(朝日新聞7月26日付社説)とか「際立つ高市自維政権の横暴さ」(日本共産党機関紙「しんぶん赤旗」7月28日付主張)とか、好き勝手な御託を並べて国民の審判を消し去ろうと蠢いているからである。
与党と健全野党で果敢に政策遂行を
まず皇室典範の改正を巡って各党はいかなる公約を掲げていたのかを見ておこう。与党の自民党と日本維新の会は昨秋の連立合意書で「男系男子の継承重視し養子縁組導入」を明示していた。参政党も保守党も同様の公約を掲げ、国民民主党は「基本は男系男子」の立場であった。
これに対して中道改革連合は沈黙し、共産党と社民党は女系天皇容認論を打ち出していたのである。ちなみに我々は「男系男子の万系一世」が正論と考える。かねてから「天皇制廃止論」を唱えてきた共産勢力が「女性→女系→廃止」の三段階廃止論を隠し持っていることを想起しておかねばならないからである。
そのことを知ってか知らずか、読売新聞は執拗に「女性・女系容認論」を唱え、これに意を強くした左派オールドメディアと左派泡沫政党が盛んに反対論を振りまき、国民を惑わせた。これは万死に値する愚行である。
国旗損壊罪法は自民、維新の連立合意書に明記されていたもので、通常国会では自維、国民、参政の与野党4党が共同提案し、チームみらいも賛成し成立した。これにも左派勢力は異議を唱えたが、相手にする必要はさらさらないのである。
通常国会では「国家情報局」設置法も成立した。これも当然のことだ。インテリジェンス機能・スパイ防止法を巡っては自民、維新、国民、参政、保守が公約に掲げていた。維新が最も明確に「国家情報会議」「国家情報局」「対外情報庁」の創設とスパイ防止法制定を主張し、国民はスパイ防止を含むインテリジェンス態勢整備推進法制定を唱えていたのである。
これに対して中道は態度を示さず、参院に温存された立憲が「重大な人権侵害を引き起こすリスク」を騒ぎ立て、共産は「基本的人権を侵害する」、社民は「現代版治安維持法」と主張し猛反対した。衆院では与党と国民、参政、中道、みらいが賛成したが、参院では立憲が共産・れいわと肩を並べて反対し共産体質を露見させた。
こうして見れば、「国会をゆがめた首相の独善」「際立つ高市自維政権の横暴さ」といった高市内閣批判は筋違いな頓珍漢な為にする愚論であることが浮き彫りになる。
高市内閣は左派勢力の批判や支持率低下を恐れず、政策遂行へ全力を挙げるべきである。その最大のテーマはスパイ防止法であることは論を待たない。前記公約で見た通り、共産系を除く与野党合意は可能である。
自民党インテリジェンス戦略本部はスパイ行為を取り締まる「外国干渉防止法(仮称)」や、安全保障目的での通信傍受を可能にする法整備を提言すると伝えられるが、これも左派を排除し与野党合意で実現である。国家安全保障戦略など「安保3文書」の閣議決定とその実現の道筋を立てることも重要な課題である。
核抑止力強化へ三原則を見直せ
これも総選挙での各党公約を振り返っておこう。自民は「新時代に対応した防衛体制の構築」を掲げ、維新は核共有を含む拡大抑止を論議し「次世代の動力を活用した潜水艦」保有を主張。国民は抑止力強化と「自分の国は自分で守ることを基本」に自衛のための反撃力を維持するとし、参政は国民一人一人が帰属意識を高め「日米安保条約と日米豪印戦略対話(クアッド)をアジア海洋同盟として進化」させることを唱え、保守は憲法9条2項を削除し自衛力保持を明記、防衛研究への助成、防衛産業への政府投資を訴えていた。
一方、中道は相変わらず非核三原則、専守防衛堅持を唱え、共産、社民、れいわは軍事増反対、安保関連3文書撤回、安全保障関連法廃止などを唱え、ばりばりの共産主義勢力の正体を露わにしていたのである。未来はAI活用など柔軟な対応を唱えていた。
ずばり言おう。避けて通れないのは非核三原則のうち「持ち込まず」を撤廃することだ。これには左派メディアと共産勢力の「世論工作」を打倒しなければならない。そして国の守りの天王山となる憲法9条改正に歩を進めねばならない。高市内閣は怯まず恐れず公約実現、政策遂行に邁進すべきである。
【思想新聞 8月15日号】衝撃の特別国会 「強く豊かな」美しい国へのスタート/連載・「辺野古沖転覆事件」の深層/文化マルクス主義の群像/朝鮮半島コンフィデンシャル