共産党の滅茶苦茶な経済政策は国民を窮乏させたソ連と同じ

「思想新聞」8月1日号から【共産主義定点観測】の記事を紹介します。

旧ソ連・計画経済の実態

 日本では今、国民の多くが物価高に苦しんでおり、自民党への批判が高まっている。しかし、過去、ソ連という社会主義国が存在し、「衛星国」と呼ばれていた東ヨーロッパの6カ国が存在したが、極端な物不足で、国民は、日常生活用品・食品の不足に、恒常的に苦しんでいた。

 社会主義・共産主義は計画経済である。旧ソ連・東欧は、共産主義経済をめざす社会主義経済で、計画経済だった。ソ連共産党の最高意思決定機関である党大会で、今後何年かの生産量の増加計画が決定される。5年後には、鉄鋼生産量を10%増加させ、全体の生産量を8%増加させるなど。ソ連など社会主義経済には、資本主義国のような人間にコントロールできない不況や、景気の循環などはないから、すぐに米国の経済を追い抜き、ソ連国民は豊かな生活を送れると豪語していた。

 ソ連共産党のトップは計画的に、自動車生産量、鉄鋼生産量など、すべての製品の生産量を決定しソ連全土の工場に割り振った。例えば、ソ連のA市のB自動車工場は、毎月、C型乗用車を3400台生産する「任務」を与えられた。理論上は、全製品が製造されすぎず品不足にもならず、すべてうまくいくはずだった。

 ところが実際には、自動車工場の労働者は、月初からC型車を生産し、割り当てられた3400台を生産してしまうと、あとは、職場で朝からウォッカを飲むなどまともに仕事をしなかった。良い製品を作ろうという気もなく、不良品や粗悪品ばかり製造していた。すべての工場がこのような有様だった。割り当てられた数だけの製品を製造すると、あとは月の最終日まで、職場で酒を飲むなど、ほとんど仕事をしなかった。しかも、不良品をたくさん生産し、製品の改良や仕事の改善には誰も取り組まなかった。ただ時々、ソ連共産党の担当者らが見回りに来るので、その時だけ言うことを聞いて、何でもかんでも賛成を表明した。

日本共産党の「経済理論」

 一方、ソ連国民の生活は貧しかった。以下は実話だ。ソ連には、商店はなく、スーパーマーケットのような大型店舗しかなかった。市民が買い物に行っても、いつも商品の棚は空っぽだった。ただ、何月何日に商品が入るという情報が流れると、当日、開店前からスーパーマーケットの入口に市民の長い列ができた。そして、開店してすぐに、すべての商品が売り切れた。

 さて日本共産党は、「貧しい人の味方」を主張するが、その実態は、国民全体が貧しい生活を送ることになるのは明白だ。これは歴史が証明する事実である。

 工場では、「共産主義の原則」である計画経済・統制経済に基づき、割り当てられた数だけの商品を、雑に手っ取り早く製造する。残りの期間は、出勤時から帰宅時までウォッカなど酒を飲んで仕事をしない。その結果、不良品、粗悪品が大量に製造され、前述のような現象が起き、国民の生活は貧しくなるのである。

 日本共産党の「経済理論」は以下である。

 「社会主義社会は共産主義社会の第一段階である。この段階においては、人による人のいっさいの搾取が根絶され、階級による社会の分裂は終わる。社会主義日本では、『能力におうじてはたらき、労働におうじてうけとる』の原則が実現され、これまでになく高い物質的繁栄と精神的開花、広い人民のための民主主義が保障される。共産主義社会の高い段階では、生産力のすばらしい発展と社会生活の新しい内容がうちたてられ、社会は、『能力におうじてはたらき、必要におうじてうけとる』状態に到達する」(日本共産党綱領 1994年7月23日一部改定より)

 共産主義社会では、ありあまるほどのものが生産できるので、豊かで欲しいものがすべて手に入る生活ができ、けんかも暴力も☆戦争もいっさいなくなるということである。しかし、その理論により、世界中で無実の人が1億人から2億人殺されたのである。

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