千葉市が作ったパートナーシップ宣誓制度は実質的な事実婚の推奨に成り得る。子供の福祉・権利はどこへ…?
止まらぬLGBT推進、今度は事実婚認可まで…
いわゆるLGBTと呼ばれる「性的少数者」の中で、同性同士のカップルに婚姻関係に準ずるパートナー関係を公的に証明する「同性パートナーシップ制度」は東京都渋谷区に始まり、東京都世田谷区、三重県伊賀市、兵庫県宝塚市、那覇市、札幌市、福岡市、大阪市、東京都中野区など多くの自治体で施行されている。
昨年8月下旬、政令指定都市では4番目となる千葉市が導入すると発表した「千葉市パートナーシップ宣誓制度」は、従来のLGBといった「同性カップル」に限定せず、「事実婚の異性同士も認める」とした全国でも初めてのものだ。
これを導入するとした千葉市では、市の「男女共同参画ハーモニー条例の理念に基づき、すべての市民が個人として尊重される社会の実現」のため、「千葉市パートナーシップの宣誓の取扱いに関する要綱」を制定した。その趣旨は、次のようなものだ。
千葉市パートナーシップ宣誓制度とは?
同居するカップルが共同生活で必要な費用を分担することなどを「宣誓」すれば、市が「パートナーシップ宣誓証明書」を交付。通称名を使用でき、希望者にはカード型の証明書を交付する。宣誓できるのは、2人とも成人で一方が市内在住か市内への転入を予定しているカップル。配偶者がいる人や他にパートナーがいる人は対象外で、近親者同士も認めない。宣誓には住民票の写しや現住所を確認できる書類のほか、戸籍謄本など独身を証明できる書類の提出が必要だ。
この「証明書」に法的拘束力はないが、市営住宅や市営墓地の利用ができるよう検討するほか、民間企業でも証明書類の扱いが期待される。
千葉市では当初、4月の施行としたが、1月29日に施行と1月7日に発表され、申請書類もホームページ上で公開されている。
家庭概念の乱れで、日本の少子化は必至
日本国憲法では、24条で「両性の合意のみに基づく」と定めた現行の婚姻制度を、同性カップルにも婚姻に準ずる関係を公的に認めるのが、同性パートナーシップ制度であった。
今回の制度は、「双方に配偶者がいない」「他にパートナーシップの関係にない」のが、「事実婚」の場合でも条件だが、そんな要件はいずれ容易に踏み超えられる可能性がある。
なぜなら、子供の権利として、婚姻関係にある「嫡出子」と、婚姻関係外で生まれた「非嫡出子」とでは、法定相続上は同等とするよう民法が改正されているからだ。
千葉市によると、昨年9月に意見を募ると、LGBT当事者から、異性間で事実婚をしている友人も「公的な証明がない。パートナーシップ制度も使えない」との相談を受けたという。
だが、申請ゼロの自治体もありニーズとは無関係に極めてイデオロギー的な色彩の強い施策と言われても仕方がないのではないか。
今後、なし崩し的に「同性婚」が認められれば、家族概念が揺らぎ、さらなる人口減少に拍車がかかるのは必至だ。
伝統的家族は、結婚して家庭を築き子や孫世代までその営みが続いていく。
それに対し同性愛者のパートナー関係は、いわば「同棲」で、社会的には「内縁の配偶者」と呼ぶものだ。そうした関係に一定の経済的配慮は認めたとしても、婚姻とは別物と考えるべきなのだ。家族とは単なる個人的利益共有の経済だけの関係ではない。過去から未来まで存在自体を問う、国家を左右する公共福祉の問題だと捉えた大局的議論をすべきなのである。
最初に公表された昨年8月23日の会見で千葉市の熊谷俊人市長は、「私は何年も前から、当初から、同姓だけを対象にしたパートナーシップというのはどうなのかというのをずっと言い続けています。…同性のみならず異性であったとしても婚姻以外でパートナーを証明する方法というのは、現時点で許されていないわけですので、同性の方々だけが対象になるというのは、やはりバランスとして、もちろん同性の方々は婚姻そのものはできないという部分はありますけれども、制度としては同性に限る理由というのはないと思います。同性も異性もフラットに扱うことこそが性的少数者も含めた制度設計をする場合においては私は必要だと思います」と述べている。
思想新聞「文化共産主義に警戒を」2月1日号より(掲載のニュースは本紙にて)
2月1日号 北の非核化見極める「核申告」 / 安保東東京大会に200人結集 / 主張 平成の宝物「家族」を継承せよ etc