ジュゴン保護かつ辺野古移設を進めよ

 

『捏造』されたジュゴンの死

 

 沖縄県の「普天間飛行場の名護市辺野古地区への移転に伴う辺野古沖埋め立て工事」の賛否を問う「県民投票」が2月に行われたが、結果は有効投票の過半数が「反対」を投じたが、実際には県民有権者の3分の1にすぎないことが明らかになったばかり。

 移設工事が速やかに完了すれば、「世界一危険な基地」と称される普天間飛行場が返還され、沖縄の負担軽減に資するというのが国の立場だ。

 

 そうした中3月18日夕刻、沖縄県国頭郡今帰仁村の今帰仁漁港近くの沖合で、地元漁協組合員により国の天然記念物で絶滅危惧種であるジュゴン1頭が、死んだ状態で発見された。このジュゴンは体長約3mメートル、頭部や胸ビレに傷、出血が見られ、何カ所も皮がむけた状態だったという。

 

 WWF(世界自然保護基金)ジャパンの公式サイトによると、「ジュゴンは、クジラ類に似た胴体と小さな頭を持つ大型草食獣で、『人魚』のモデルになったといわれる哺乳類です。亜熱帯から熱帯にかけての浅く、温かい海に生息し、主に海草を食べています」とするが、「日本国内では、沖縄島東部の沿岸域にわずかに生息していますが、その主要な生息域である名護市辺野古の海では、米軍基地の移設計画が進められており、絶滅が懸念され」と極めて政治的記述」だ。

 

 

 生物学的に一説では「ジュゴン生息の北限」が「沖縄本島東部沿岸域」とも言われるが、保護団体の「ジュゴンネットワーク沖縄」が確認した生息個体の3頭(A・B・C)のうちBと呼ばれる個体だと断定したという(沖縄タイムス)。同ネットワークの目撃情報によると、

 

 生息域は辺野古沖ではなく反対の沖縄本島西側の古宇利島周辺で、死骸が発見されたのも古宇利島に近い今帰仁漁港沖だった。

 

 その意味で、辺野古移設反対勢力が主張するような「辺野古埋め立て工事が死因だ」という説はどう見ても考えにくい。ただ、「埋め立て土砂を積んだ運搬船が名護市の西側から東側に回る航路を取るため、運搬船が生息に影響を与えた可能性」を同紙社説が指摘している。

 

 だが地元民の眼から見ると、運搬船に限らず、沖縄の海で高速で移動する船は反対派のものを含め多数あり、息継ぎのために海面に浮上したジュゴンにぶつかる可能性も十分考えられるとの意見もある。いずれにせよ、ジュゴンの死因をさらに精査する必要はあるだろう。

 

【沖縄県政】ジュゴン保護策に注力せず、政治利用

 

 疑問なのは沖縄県政にも問題があることだ。ジュゴンが辺野古沖ではなく名護市の西側に接する古宇利島で生息を目撃されたなら、そこを拠点に「ジュゴン保護」策を具体的に注力すべきはず。そうせずに辺野古に拘り国との係争に明け暮れるのは翁長県政以来の「不作為」と言うほかない。

 

水槽で泳ぐジュゴン

 

 

 国の天然記念物として絶滅の危機に瀕した新潟県佐渡島のトキの場合も具体的に個体を確保し保護・繁殖を試みたことがあった。国産トキは絶滅し最終的に佐渡トキ保護センターには中国産の人工繁殖個体のみとなった。トキの保護政策でイニシアチブを取るのは環境省だが、ジュゴンの場合も沖縄県と国が協力し個体数の精確な把握と具体的な保護に務めるべきである。

 

行き過ぎた「アニマル・ライツ」的思考より、人命優先を

 

 ただ「辺野古沖は何が何でも反対」を叫んでも、普天間周辺市民の「危険性」はいつまで経っても除去されず、それどころか永続的な「固定化」につながるとを全県民が認識すべきだ。

 

 沖縄の地政学的要衝も踏まえた、現実的で総合的な解決策を保護という面からも必要かもしれない。

 

 

 ジュゴンの命も大事だが、人間の命を守ることはもっと大事との観点がなければ、まともな政治とは言えない。

 

 

 かつて「最低でも県外」と無責任に沖縄県民を弄んだ鳩山由紀夫元首相は今回のジュゴン事件も「辺野古の埋め立てで遂に死んだ。人間のエゴで…」と無責任発言。

 鳩山氏は「アニマル・ライツ」(動物の権利)重視で人間など滅べばよいと考えるルソー主義者と中川八洋筑波大名誉教授はかつて厳しく指摘。クジラの過剰保護で海洋生態が崩れているとの科学的見解もある。

 

 

 辺野古移設問題はともすればアニマル・ライツより人間の命を軽んじる思想に傾きかねないのである。

 

 

 

 

思想新聞「体制共産主義に警戒を」4月1日号より(掲載のニュースは本紙にて)

4月1日号 米国の影、中国・全人代を覆う 対米慎重姿勢 / 神奈川県連合会が定期総会「東アジアは地殻変動機に」/ 主張「憲法に緊急事態条項を設けよ」 etc

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