自由民主主義諸国が結束し内憂外患の超克を(2022年1月年頭挨拶)

 あけましておめでとうございます。

 本連合会員の皆様方におかれましても、恙無つつがなく健やかに新年を迎えられたこととお慶び申し上げます。2021年は正にコロナ禍に明け、コロナ禍に暮れた一年となりましたが、本年は人類がコロナ禍克服の希望をより一層強く実感できる一年になりますよう心よりお祈り申し上げます。

 さて、国内におきましては10月31日の第49回衆議院総選挙を経て、改めて岸田文雄氏が日本国の第101代内閣総理大臣に就任、11月10日に第2次岸田内閣が発足しました。岸田総理はこの度の選挙を「未来選択総選挙」と命名、「新しい資本主義の実現」「国民を守り抜く、外交・安全保障」などの政策を提示し、国民の信を問いました。

 一方、野党第一党の立憲民主党は共産党をはじめとした野党5党で「安保関連法の部分廃止」や「脱炭素社会実現」など、20項目の共通政策を掲げる「限定的閣外協力」の姿勢で選挙に臨みました。結果、5野党が統一候補を擁立した213選挙区の内、与党系候補が139選挙区で勝利し、勝率が約65%であるのに対し、統一候補の勝利は59選挙区と、勝率約28%に留まり、野党共闘の効果は限定的なものとなりました。

 自民党は単独で絶対安定多数、261議席を獲得し、国民の信を得る事になりました。また、政権与党に加え、憲法改正に前向きな改憲勢力は計352議席となり、衆議院の4分の3を占めるに至り、憲法改正に向けて国民論議が活発になる事が期待されます。保守政党のリベラル化が懸念される昨今、国民の命と財産、そして、未来を守り抜く力強い政策と共に憲法改正に向けた論議を推進する事を新政権に期待したいと思います。

 


 世界に目をむけますと、この一年を通し、米中対立構図がインド太平洋地域の海洋国家群対中国へと拡大し、民主主義対専制主義の構図がより明確になってまいりました。

 6月に開催された主要7カ国(G7)サミットにおいては中国の「一帯一路」構想に代わる先進主要国らによる新たな新興国支援の構想が提案され、共同声明において台湾海峡の平和と安定の重要性が明記される一方、日米豪印によるQUADクアッドに加え9月には米英豪三国間軍事同盟AUKUSオーカス発足が発表されるなど、安全保障環境をめぐって拡大する中国を念頭に新たな国際協調の枠組みが整理されつつあります。

 10月初旬、中国軍機による台湾防空識別圏侵入はわずか4日間で56機に至るなど、台湾海峡の緊張が高まる中、台湾の蔡英文総統は10月10日中華民国(双十節)国慶節記念式典の演説において、自由民主の憲政体制の堅持を強調し、中華民国と中華人民共和国は互いに隷属しない事、主権への侵犯と併呑へいどんを許さない事を訴え、台湾海峡の平和維持に向け世界の耳目が集中する事態が展開しております。

 一方で、12月には米国のバイデン大統領が全世界約110カ国を招待しオンライン形式で民主主義サミットを開催し、強権主義国家に向けた国際社会の結集を図りましたが、中国との結びつきを重視する国も多く、民主主義と人権を旗印にどこまで歩調を合わせられるか、依然として不透明な見通しです。

 米国では本年、中間選挙も控えており、バイデン大統領は混迷する内外情勢を受け、一層難しい政権運営を迫られています。同盟国としての日本の役割が相対的に大きなものになって行く事でしょう。

 また、大韓民国においては、3月9日の大統領選挙をめぐり、目下与野党の候補による国民を巻き込んだ激しい政策論争が繰り広げられておりますが、両候補の対日政策が対比される中、日本においても日韓関係改善をめぐってその行方に広く関心が寄せられています。現在両陣営は、各々選挙対策委員会を立ち上げて、支持拡大に向けた動きを本格化させており、世論調査の結果も時期と媒体による振れ幅が大きく、未だ大勢を見極める段階には至っておりません。

 朝鮮半島情勢もまた中国の存在を抜きにして語る事が出来ません。台湾海峡と共に朝鮮半島もまた自由と民主主義の最前線となっており、日米韓台の連携は、自由と民主主義、基本的人権、市場経済、法の支配といった普遍的価値観を共有する国際秩序を守る要の役割を担っているだけに、日韓関係の改善と韓国の対北朝鮮政策における国際協力体制の成否などを左右する大統領選挙の行方に国際社会も注目をしているものと思います。

 

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 2022年は北京冬季五輪開催の年でもあり、益々影響力を増大させる中国とどのようにして世界が向き合うべきかがより一層問われる一年になるでしょう。

 中国共産党は昨年7月に創立100周年を迎え、習近平国家主席は記念式典にて一時間にわたって演説、「社会主義だけが中国を救え、中国の特色ある社会主義だけが中国を発展させられる」と、現代中国における共産党の役割を強調しました。また、台湾統一は「歴史的任務」と語り、軍事力増強に強い意欲を示すと共に、外部勢力による干渉を断固拒否する姿勢を強調しました。

 2027年、人民解放軍創設100周年に向け、本年は北京冬季五輪開催、第20回党大会を経て、習近平体制の強化と共に軍事的存在感をより一層強化する事が予想され、台湾有事が現実味を帯びて参りました。昨年10月に中露軍艦10隻が津軽海峡を通過し、日本列島をほぼ一周した事案も、日本や米国の反応を確認しようとするものであり、台湾統一に向けた環境整備を着実に進めている様子が伺えます。そのような中、台湾で行われたシンポジウムにオンライン参加した安倍晋三元総理大臣が台湾有事は日米同盟の有事と明言したことは極めて意味が大きいと言えるでしょう。

 国内外情勢は混迷を極め、私達は正に内憂外患の国難に処しています。少子高齢化がこの国の社会構造を大きく変える静かなる有事と言われて久しく、多様性が十分な検証過程を経ないままに受容されていく中で、社会の絆の根幹にあった家庭基盤が弱体化している現実を憂慮せざるを得ません。政治家はいうに及ばず、国民一人ひとりが令和日本の抱えた内外の国家的課題としっかりと向き合う姿勢が求められているものと実感いたします。

 本年も会員の皆様と共に国難を克服すべく救国救世運動を力強く展開してまいりたいと思います。

2022年1月吉日

国際勝共連合会長 梶栗正義