危険な北朝鮮 ー 拉致問題について

 北朝鮮は1970年代から80年代にかけ、多くの日本人を拉致しました。目的は、工作員が日本人になりすますため、工作員を日本人化するための教育係を獲得するため、あるいは医師、看護師、印刷工 などの技術者を確保するためでした。他にも、亡命した日本人の独身男性の結婚相手として拉致されたケースなどがあります。

 拉致の手口を一つ紹介します。まず福井県などの日本海沿岸に工作員を密かに上陸させます。日本ではすでに潜入済みの工作員や在日朝鮮人(土台人)が待っています。事前の連絡は「平壌放送」というラジオ番組の最後に流される乱数放送などで行います。こうして現地に土地勘がある土台人の手引きのもと、日本人を拉致します。犯行を目撃されたと思い込んだ人を強引に拉致したこともありました。

 

 北朝鮮の工作員である辛光洙は、1973年に能登半島から不法入国しました。しばらく在日朝鮮人の家で暮らした後、拉致した日本人の原敕晁(ただあき)さんに成りすまし、横田めぐみさんなど数人の拉致に関わりました。

 辛光洙は韓国で逮捕されて死刑判決を受けましたが、その後金大中大統領による恩赦を受けて北朝鮮に送還されました。北朝鮮では英雄として扱われ、記念切手が販売されています。

 

 政府が正式に拉致被害者と認定したのはこれまでに17名です。家族会や救う会は約100名としています。政府は1991年以降、北朝鮮に対して事件を提起しましたが、北朝鮮側は「捏造」と否定し続けました。

 流れが大きく変わったのは2002年です。小泉純一郎総理らが訪朝した際に、当時の北朝鮮の最高指導者である金正日氏が初めて拉致を認めたのです。正日氏は「一部の特殊機関の部下が勝手にやったことだ」といって謝罪しました。政府認定の拉致被害者17人のうち13人の拉致を認め、4人は「入境せず」と言いました。拉致した13人のうち8人は死亡したと説明し、残る5人が日本に帰国しました。

 死亡したとされる8人のうちの1人が、13歳のときに拉致された横田めぐみさんです。長女のキム・ヘギョンさんを生んだ後に自殺したとされました。ヘギョンさんとの親子関係はDNA鑑定で証明されました。ただし提出されためぐみさんの遺骨はDNA鑑定で偽物と判明しました。めぐみさんのお母様は今もめぐみさんが生きていると信じ、奪還のための活動を続けています。

 その後、北朝鮮は2014年に「拉致被害者及び拉致の可能性を排除できない行方不明者を含む全ての日本人に関する包括的かつ全面的な調査」を行うと表明しましたが、今のところ何の進展もありません。日本政府は「安否不明の拉致被害者が全て生存しているとの前提」で、今後も引き渡しを求め続ける方針です。

 

【第二章】迫りくる共産主義の脅威(プロローグ)
体制共産主義の脅威
 

①中国の軍事的脅威
中国の狙い拡張し続ける軍事力戦争は始まっている人権弾圧の実態 

②危険な北朝鮮
拉致問題核ミサイル問題
                                                   

文化共産主義の脅威
ジェンダーフリーについて
同性婚について

 

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