国際勝共連合創立50周年記念大会(10月25日 ザ・キャピトルホテル東急)梶栗正義会長 記念メッセージ

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「愛天 愛人 愛国」の精神でさらなる前進を

 

国際勝共連合会長 梶栗正義

 国際勝共連合創立50周年記念大会にかくも多数の皆様にお集まり頂き、心からお礼申し上げたい。特に本日は、ご多忙を極める国政の合間を縫って多数の国会議員の皆様にご参加いただいた。他にも多数の地方議員の皆様、本連合にゆかりの深い多く皆様にお集まり頂いた。この50年に対する深い愛情と多くの思い出を胸にお集まり頂いたことと思う。改めて感謝申し上げたい。

 

日本を共産革命から救う

 「共産主義は間違っている!」。勝共青年たちの力強い訴えが、全国津々浦々、街頭や大学のキャンパス内で響き渡った。勝共は今年で満50歳になる。その内容の一部を本日は映像で共有させて頂いた。映像を見ながら当時を思い起こした皆様も多数いると思う。

共産党や左翼過激派と街頭で対峙した

 

 創立の1968年といえば、東西冷戦の真っ只中、ソ連を核とする国際共産主義勢力が絶頂期を迎えていた。世界赤化工作が推し進められていた。国内では革新自治体が一大ブームとなり、自民党保守勢力が苦心していた。当時の自民党は、主要な革新自治体の東京、大阪、京都、横浜、沖縄の頭文字をとって「TOKYO作戦」と呼んでいた。共産党が民主連合政府構想を打ち出し、まさに革命前夜という言葉が新聞の見出しをかざるような状況だった。多くの若者が、共産主義という新しい考えに触れ、そこにユートピア思想を見出し、その掲げる理想に心を熱くして、革命勢力に加わり、学園闘争に加わった。

 

 私の祖父は大正期に東京帝国大学で経済学を学び、マルクスの資本論をドイツ語で学んだ。晩年は勝共の闘志となったが、「当時のマルクスは世の光であった。時代の神であった」と私に語った。そんな時代に勝共運動に身を投じた若者たちは、街頭で「共産主義は間違っている!」と、堂々と力強く訴えた。

「WACL(世界反共連盟)世界大会」開催(1970年9月、日本武道館)

 

 文鮮明総裁は、単に共産主義が嫌いであるという思いで反共を訴えたのではない。この体系だった思想によって多くの若者が魅了されている。これを完膚なきまでに批判することができる新しい理論、新しい思想が現れることで人類に新しい光をもたらさなければならない。そこで我々に勝共理論を教えられた。そして勝共青年たちは全国の街頭に立ち、黒板講義等を通して共産主義の間違いを訴えた。ただの感情論ではなく、なぜ共産主義が人類の苦悩を救うことができないのか、幸福にすることができないのか、それを強く訴えた。

 我々は果敢に共産党に対して理論闘争を挑み、共産党はそれを避けるようにして逃げ回った。彼らはいつの間にか弱体化し、最後の砦ともいうべき京都共産府政に存亡をかけていた。その京都府知事選に勝共青年らが全国から結集し、終止符を打つべく戦った。その結果、28年間続いた共産府政の打倒に成功した。そして宮本顕治共産党委員長(当時)は、「勝共退治の戦いは歴史に残る聖戦だ」と言ったのだ。勝共連合にとって、これ以上の名誉が他にあるだろうか。

日本と韓国の両国は世界共産化を阻止するために一致団結しなくてはいけない、と力強く指導される文鮮明総裁と韓鶴子夫人

 

 かくして勝共運動は政府、自民党と緊密に連携し、とうとうこの日本を共産革命の魔の手から救い出すことに成功した。その影に勝共運動に身を投じた数多くの青年たちの名も無き尊い戦いがあった。今日は彼らに対しても拍手をお送り頂きたい。そして私は今日の日に、文鮮明総裁こそが日本を共産革命から救い出した日本の恩人であると証言したい。

 今年は明治維新から150年を迎える節目の年である。明治維新を導いた吉田松陰、西郷隆盛らが座右の銘として掲げたのが「敬天愛人」思想。この思いが日本の夜明けを導いた。そして文総裁が日本の勝共運動をご指導される際に訴えたのが「愛天愛人愛国」の精神である。この精神がUPF、平和大使協議会等の多くの国際的組織に連結されている。そこに流れる精神は何一つ変わらない。これこそが文総裁が送ってくださった遺産である。

議員・有識者ら500人が結集した大会会場(ザ・キャピトルホテル東急)

今後の勝共運動

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 この国が処している国難を解決してこそ愛国運動といえる。昨年、安倍総理は解散総選挙を行い、国難突破解散と命名した。その国難とは少子化による人口減少の問題、そしてわが国の平和の維持である。

 

 人口減少問題については政府が様々な努力をしてきたが、本質には若者の結婚離れがある。この背後には、結婚と家庭の本来の価値を破壊する、共産主義による思想運動がある。この運動を克服しなければ、日本の若者に結婚や家庭の素晴らしさを訴えることができない。国難を克服するためには、引き続き勝共の戦いが必要である。

 安全保障問題については、国際情勢が大きく変化している。米国のトランプ大統領の出現、中国の台頭、英国のEU(欧州連合)離脱等。この変化の中で、わが国は将来の平和と安全、繁栄をいかに実現することができるのか。大きな岐路に立たされている。

 

 文総裁、韓鶴子総裁は、こうした状況に対して早くから、日米韓の緊密な連携によって環太平洋に人類の希望となる平和文明を築くべきであると指導してこられた。一方、安倍首相は「自由で開かれたインド太平洋戦略」を訴え、これに米豪印が呼応している。いまや世界が、中国の「一帯一路」構想に対抗し得るのは安倍首相に端を発する「インド太平洋戦略」ではないかと言うようになった。私は中学から大学まで韓国に留学した。貴重な体験を数多くしたが、その中には韓国の歴史問題の難しさを痛感したこととともに、「我々は必ず分かり合える」との確信に至ることができた。

 文総裁は、日韓が世界共産化を防ぐために結束すべく、130回の日韓安保セミナーを開催した。10年間に2万人が往来し、板門店や南侵トンネルを見学し、日韓の勝共有志で姉妹血縁式を行った。文総裁は、日韓が一つとなり平和文明を作り出すという歴史的使命を果たすために、日韓両国の勝共運動を導き鼓舞されてきた。そのキーワードが「愛天愛人愛国」である。単なる一国の愛国運動を超え、人類を愛し、世界を愛し、この時代的使命に生きるべきとのご指導である。

「第132回 日韓平和セミナー」(1992年6月24日)

 

 このご指導を受け継いで、UPF、平和大使協議会という大きな旗印のもと、日米韓が新しい人類の希望となる平和文明を築くという、歴史的使命を果たさなければならない。その意味で日韓のUPFの運動が極めて重要である。私は日本のUPFの会長でもある。そして今日は韓国UPFの文妍娥会長もお迎えした。今後我々が、日韓が新しい世界平和秩序を構築することができるよう、世界の父母の役割を担っていけるよう、新しい出発を皆様と共になしていくことをお誓い申し上げ、記念の言葉とさせていただきたい。

国際勝共連合会長 梶栗正義

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