【写真:香港の街頭で】 習近平・中国共産党の「帝国化」に抗議する市民運動のチラシ
中国、国家元首の任期無期限へ
中国の元首は国家主席であり、現在は習近平氏が就任しています。この任期は現在、最長で2期10年ですが、これが無期限となることが事実上決定されました。
習氏は2023年に任期を終える予定ですが、今後は終身の国家元首となる可能性があります。少なくとも3期目の就任は確実視されており、内外の強硬路線が一段と強化されることは間違いありません。国内では人権弾圧が激化し、国際社会においては国際法を無視した挑発的な行為がさらに増すことになるでしょう。
上記の決定は、中国共産党の最高指導機関である「共産党中央委員会」で2月25日に発表されました。国家主席の任期は憲法で定められていますが、これを撤廃する改正案が発表されたのです。今後は、3月5日に開催される全国人民代表大会(日本の国会に相当)で改正案が可決され、正式に認められる見通しです。
習氏はこれまで、「ハエ(小物)もトラ(大物)もたたく」とのスローガンを掲げ、腐敗撲滅と称して多数の政敵を排除してきました。さらに治安組織や軍隊を含むあらゆる機関の掌握を進めてきました。任期が撤廃されれば一強独裁体制がさらに強化されることになります。
習氏は昨年10月の共産党大会で、建国から100年となる2049年までに、米国と並ぶ強国を目指すと宣言しました。3時間を超える演説では、「(アヘン戦争を発端として)19世紀以来、列強の侵略で失った世界の大国としての地位を取り戻す」と強調しました。これは米国主導の現在の国際秩序を、中国主導のものに塗り替えることを意味しています。
東アジアにおいては、米軍を撤退させ、代わって中国軍が台頭する狙いです。その結果、台湾や沖縄、南シナ海などの広域な範囲が「中国固有の領域」として実行支配されることになるでしょう。
東アジアにおける最大の脅威は紛れもなく中国です。現在の北朝鮮の核ミサイル開発の脅威に備えるとともに、中長期的な中国の脅威を十分に理解し、今から準備しておくことが必要です。
中国が「日本を中国化」するための工作を続けている事を忘れてはいけません・・・
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