中国の「間接侵略」許さぬ国造りを

 

 

 「中国人を見たらスパイと思え」(トランプ米大統領のオフレコ発言)。これがあながち嘘とは言えない事態が世界中で進行している。むろん「中国人」とは人種的な中国人ではない。共産党支配下の中国(中共)国民のことである。

 

 中国が2015年に制定した「国家安全保障法」は、国民に対して国家安全当局者に協力し命令・指示に従うことを義務付け、中国企業には政府の要請に応じ情報を提供することを義務付ける

 

 17年に制定した「国家情報法」は、国民は国家のインテリジェンス活動(諜報〈ちょうほう〉活動)を支援する義務があるとし、諜報活動を行う機関は企業や国民に対し必要なサポートや支援、協力を要求することを認める。

 

 中国人は好むと好まざるに関わらず「スパイ」にされる。

 

 

地球規模で徘徊中国技術スパイ

 

 レイ米国連邦捜査局(FBI)長官は7月、中国政府によるスパイ・盗用活動について、「中国はどんな方法を使っても世界唯一の超大国になろうと、国家的な取り組みを進めている」と警鐘を鳴らした。

 

 米政府はスパイ活動の拠点だったヒューストン中国総領事館を閉鎖した。

 華為技術(ファーウェイ)のような大手ITプロバイダーがスパイ工作の尖兵になり、あらゆる政府機関、企業に巧妙にサイバー攻撃を仕掛けている

 

 オーストラリアでは、主要政党の最大の資金提供者は裕福な中国人や中国系オーストラリア人だった。中国は連邦政府、企業、大学、メディアなどに浸透し、コントロールする体系的な活動を行なっていることが暴露されている(クライブ・ハミルトン著『目に見えぬ侵略中国のオーストラリア支配計画』飛鳥新社)。

 

 ドイツでは連邦憲法擁護庁(BfV)が7月9日に公表した2019年版「連邦憲法擁護報告書」に中国の工作が詳述されている。中国は先端技術分野で独自技術を有する中小企業を買収する一方、さまざまな手段で先端技術に関わる科学者、学者をオルグ(「千人計画」と呼ばれる)。6月末に開催された独連邦議会監視委員会で情報機関当局者は「ほぼ毎月、国内で中国のスパイを摘発している」と証言している。

 

 日本も例外ではない。読売新聞は日本における中国の「千人計画」について今年5月4日付で報じている(「安保60年」第2部経済安全保障①技術狙う中国「千人計画」軍事転用へ海外の科学者招致)。人工知能(AI)を専門とする東工大教授だった男性(70歳)が5年間で1億円の研究資金や給料、手厚い福利厚生で中国の招請に応じ、北京理工大教授に就任。温水プールやジム併設の25階建て高層ビルの22階の1室で暮らす。

 

 同紙は「科学技術・経済・軍事において機先を制して有利な地位を占め、将来の戦争の主導権を奪取する」との中国の軍民融合に関する戦略方針(2016年7月)を挙げ、「軍事と民間の境目はない。むしろ、民間技術を軍事的な優位性につなげようと血眼になっている」と指摘している。

 

 警察庁は平成21年版「治安の回顧と展望」で、ドイツの機械・兵器製造企業が中国のスパイ活動で年間500億ユーロ(約6兆円)の損失を受けたとし、日本でも長期間にわたって巧妙かつ多様な手段で先端科学技術の情報収集活動を行っている」と警告した。

 

 スパイ工作は中国の建国当初から行われている。

 

 1955年以来、東大工学部の博士論文などをコピーし、横浜から中国船で本国に送らせ、61年には名古屋大学の原子力物理学教授、63年には日本原子力研究所(東海村)所員らを中国に密航させ、核開発に協力させた。「千人計画」のはしりだ。

 

 

スパイを野放しの亡国日本を恥じよ

 

 78年6月には電電公社(当時)武蔵野電気通信研究所の係長をカネで勧誘し、電子通信などの秘密資料700件を手に入れた。冷戦終焉後はスパイ活動に拍車を掛け、胡錦濤主席(当時)は99年に「西側軍事科学技術の収集利用に関する計画」を作成、情報収集機関を4000団体設立

 全国華僑工作会議で科学者やビジネスマン、留学生、旅行者らあらゆる階層の華僑、華人に情報収集を命じた

 

 2004年には上海領事館員が中国の女性スパイの「ハニー・トラップ」(性的関係によるスパイ活動)にひっかかり、スパイ協力を強要され続けた末路として自殺。

 07年には防衛庁元技官が潜水艦情報を漏洩(ろうえい)させたほか、自動車部品メーカー「デンソー」の中国人技師が産業用ロボットやディーゼル噴射装置など最高機密を盗みだした。人民解放軍と関わる軍事スパイだった。12年には駐日中国大使館の一等書記官員が虚偽の身分で外国人登録証を取得し、政官界で幅広く工作活動をした。

 こうした工作に侵されているからか、日本では、外務省の「チャイナ・スクール」(中国語研修組)や親中政治家、親中メディアが闊歩(かっぽ)し、オーストラリア以上の「目に見えぬ侵略」がまかり通っている始末である。

 

 スパイ防止法が存在すれば、ドイツのように「毎月、国内で中国のスパイを摘発」できるが、同法がない日本は野放しだ。

 

 これを亡国と言わずに何と言えようか。中共の間接侵略を許さない国造りこそ喫緊の課題である。

 

 

 

ほぼ5分で分かる勝共理論】
スパイ防止法のシリーズで「今もスパイ活動が行われている」「中国情報戦」について分かり易く解説しています。ぜひご覧ください。

 

 

 

 

 

思想新聞【主張】中国の「間接侵略」許さぬ国造りを 8月15日号より(掲載のニュースは本紙にて)

8月15日号 自民党、「抑止力向上」提言を策定 ミサイル防衛態勢の大転換点 / 【愛知県連合会】オンライン安保セミナー 米大統領選の実相説く / 主張 中国の「間接侵略」許さぬ国造りを

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