検察人事の実態と海渡弁護士の裏工作

 

 

 「モリ・カケ」「桜を見る会」に続く安倍晋三長期政権への「トラップ」―。

 

 それが「検察庁法改正」問題だ。概略は「体制共産主義」欄の通りだが、1月の黒川弘務東京高検検事長の任期延長決定からくすぶった。

 

 それが武漢発新型コロナウイルス感染拡大防止への対応で忙しい最中に、検察官僚の定年延長を定めた検察庁法改正案が、火事場泥棒のようにドサクサに紛れて通そうとしていると、いわゆる特定野党(立憲、国民、共産、社民)による反対の狼煙が上げられた。

 

 それに追い打ちをかける少なからぬ芸能人、俳優らが突如として「#検察庁法案に反対します」というハッシュタグ付きでのツイートやリプライで、700万ツイート達成しトレンド入りしたとした。

 

 ところが、これは一部の人間によるアカウント不正取得による操作であることが判明し、ツイッター本体から削除された。
参照:「検察庁法改正案に抗議します」に投稿されたのは「ほとんどがスパムツイート」?

  

 だが野党陣営はこれを世論だと強弁し、政権を責め立てた。

 

 それにしても、「文春砲」としておなじみとなった『週刊文春』誌のスクープ記事は、問題の本質が何であるかを図らずも露わにした格好だ。不思議なことに、テレビのワイドショーや情報番組では、検察は政府要人すら捜査できる権限のある「絶対的正義」のような存在として見られている。

 

 三権分立と言われるが、憲法にもあるように司法権の独立とは裁判所のことを言い、検察はあくまで行政官で、刑事裁判の起訴に関わる専門家である。

 

 そもそも、政府が今国会で検察庁法を成立させる意向が明らかにされる以前、1月の時点で黒川氏の任期延長を決めてから猛然と朝日新聞が問題視し始め、それに乗っかったのが立憲民主党など野党4党だ。検察では異例だと言うが、一般国家公務員でも延長できる規定がある

 

 これを「官邸による検察人事への介入だ」と朝日新聞と野党が決めつけたが、ジャーナリストの須田慎一郎氏によると「朝日こそが検察人事に介入している!」と指摘している(「ニューソク通信」)。

 

 毎日・朝日両新聞の社会部記者を務めた村山治氏によると、黒川氏の文春「賭け麻雀」報道による辞任に伴う、次期東京高検検事長に推された「ライバル」とされる林真琴名古屋高検検事長が「法務・検察の意向」によれば「検事総長候補の最右翼」だったのだという。

 

 ところが、林氏にとっては法務事務次官ポストを先に黒川氏にさらわれ、ナンバー2の東京高検検事長も黒川氏が先という、「林氏推し」派にとっては検事総長のポストは「3度目の正直」なのだという。だが朝日の村山氏すら「検察の実務派の間には黒川待望論があるのも事実」と書いている。

 

 ただ、林氏が7月で63歳になるために稲田検事総長の辞職・検事総長昇格がなければ退官となる。今更林氏の任期延長をなどとは言えないが、それまでに稲田氏勇退→林検事総長就任というシナリオで調整が図られる模様だ。それでは朝日の思惑通りになるのか。

 

工作者は社民党の福島瑞穂議員の夫・海渡雄一弁護士

 

 今回の文春砲による「賭け麻雀」報道で、むしろ官邸よりも検察の「マスメディアとの深い関係」が暴かれた格好だ。

 官僚機構に詳しい元大蔵官僚の高橋洋一嘉悦大教授は、「検察の権力闘争・人事抗争に官邸が巻き込まれた。安倍総理にしたら法務省持ち込み案件にすぎず、意図的な任期延長や検察庁法改正ではない」と嘆く(文化人放送局)。

 

 黒川氏が「接待麻雀」なら、林氏もゴーン逮捕など朝日へのリークで知られ、「メディア接待」の現実を高橋・須田両氏が認めており、喧嘩両成敗にすべきだとの意見もある。

 

 「#検察庁法案に反対します」なるスパムツイートは、女優の裕木奈江さんが「震源」が社民党の福島瑞穂参院議員の夫である海渡雄一弁護士であることを神奈川新聞記者へのツイッター上の質問で突き止めた。

 

 海渡氏と言えばグリンピース役員や特定秘密保護法反対運動の代表、国連特別報告者ケナタチ氏らを招聘する「左翼興行師」のような人物だ。

 

 「脈絡なき唐突な左翼行動」の背後に海渡氏の「裏工作」が潜んでいることに要注意である。

 

 

 

 思想新聞【文化共産主義の脅威】 検察人事の実態と海渡弁護士の裏工作 6月1日号より(掲載のニュースは本紙にて)

6月1日号 【中国】追い込まれる強国路線 経済成長率の目標提示不可能 / コロナ渦中のWHO総会 2020 台湾排除で禍根残すWHOの罪 / 主張 「尖閣は日本領」世界に発信せよ

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