最後まで「任命しない理由」を説明しなかった菅総理の判断は正しい
日本学術会議の問題についてまとめてみたい。
まず、野党・左派系メディアが振りかざした「首相の説明責任」など存在しない。
なぜなら民意を代表する総理が、その部下たる特別公務員の任命を決定するのは当然のことだからである。その理由を開示する必要など存在しない。
仮にの話だが、今回の件を通して総理が公務員を「任命しない理由」を述べる必要が生じれば、それこそ権力の濫用が始まるだろう。なぜなら「任命しない理由」に対して全員が納得することなどあり得ないからだ。
今回も任命されなかった立命館大法科大学院の松宮孝明教授は、菅義偉総理をヒトラー呼ばわりした。
自分を選ばない時の総理をヒトラー呼ばわりするとは、大学教授とはどれだけ偉い立場なのかと思うが、要は文句ならいくらでも言えるということである。説明しなければ「説明責任を果たせ」といい、理由を説明すれば「納得できない」というだろう。そして誰もが納得できる理由など存在しないから、結局は任命権が消えることになる。そうすると、推薦された者は必ず任命されることになる。総理の任命権は形骸化し、推薦する者が実質の権力者となるのである。これこそ民主主義の破壊である。
最後まで「任命しない理由」を説明しなかった菅総理の判断は正しい。左派勢力の挑発に乗らず、淡々と拒否し続けるべきである。
明るみに出た共産党との深い関係、そして中国軍事研究への寄与
次に、日本学術会議と日本共産党との関わりの問題がある。
ネット上では明らかになったが、日本学術会議は日本共産党に牛耳られている。この事実はテレビでは決して報道されない。
日本学術会議には大きくわけて3つの部会がある。共産党はそれぞれの部会において、同党の指導下にある団体を利用して候補者を立て、党員や関係者を大量に当選させてきた。
しかし、かつては「第7部」の医学部会だけはいくら共産党が候補者を立て、選挙運動をしても候補者を当選させることができなかった。
だから共産党は、医学界の闇を描いた山崎豊子の小説のタイトルを用いて、第7部は「白い巨塔」であると攻撃した。今から50年も前の話である。その当時から今に至るまで、この構造は何も変わっていない。
そして今回、菅総理が共産党系の学者の任命を拒否すると、今度はヒトラー呼ばわりして総攻撃した。
自らの意見に従わない者を敵(支配者階級)と決めつけ、攻撃するのは共産主義思想そのものである。中国や北朝鮮が、政権に反発する者を「国家の敵」とみなし、投獄するのと同じ理屈である 。
そもそも学者の世界では、政治に関心が薄い人材が多い。特に理系分野では顕著である。そこで共産党員がたとえ少数であっても、その世界で熱心に活動すれば組織を牛耳ることが可能である。日弁連のトップが共産党系ばかりであるのも同じ理由だ。
一般の弁護士には憲法改正論者が想像以上に多い。しかし弁護士は実務に忙しく、日弁連の役員など担当しない。担当するのはよほどのお人よしか、思想的信念がある場合に限られる。こうして組織を牛耳るのである。
共産党の指導下には、民主主義科学者協会法律部会(略して民科)なる団体が存在する。共産党系の学者らによるグループである。
民科は1950年前後の最盛期には20近い数の部会を有していたが、スターリンが強要した生物学説の誤りが明らかになったことなどから権威を失い、60年代前半頃までに多くは解体した。その中でも民科法律部会は今日まで存続しているが、今回任命されなかった6人のうちの3人は民科法律部会の役員経験者である。先ほどの松宮教授もその一人だ。
日本学術会議は1950年、「戦争を目的とする科学の研究には絶対従わない決意の表明」という声明を出した。最近も同様の声明を発表している。
しかし彼らは同時に、中国の軍事研究には大いに寄与している。最近では「千年計画」の全貌が読売新聞で克明に紹介された。この中核を担うのが学術会議だ。
日本学術会議は決して日本のための会議ではない。早々に解散すべきである。
「ほぼ5分で分かるで分かる勝共理論」でも、日本学術会議問題について、4回に分けて説明しています。ぜひご覧ください!
◎第153回 日本学術会議問題①「菅総理は任命拒否の理由を説明する必要はない」
◎第154回 日本学術会議問題②「任命拒否は学問の自由には反せず、法的にも全く問題がない」
◎第157回 日本学術会議問題③「日本学術会議が国の機関である必要があるのか?」
◎第158回 日本学術会議問題④「日本学術会議が中国の軍事力強化に関わっている?」
思想新聞【オピニオン 体制共産主義】 日本学術会議は解散せよ 1月15日号より(掲載のニュースは本紙にて)
1月15日号 閉ざされた米朝対話の道 文氏、対日改善の決断を / アジアと日本の平和と安全を守る全国フォーラム 役員会開催で新体制に /【主張】命運を決する「これからの10年」